間幕:Ir de tapas (軽食屋巡り)
13 ?? ?????? ??? / 13日のカレー曜日)
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ってくると、マルが動かないポメの周囲をチョークの白線で囲む作業をしているところだった。
「……なにしてるの?」
「んー 事件の調査だニャ」
「やっぱりよく判らない。 意味不明」
「えー 被害者はポメ・ケットシー・リージェン。 雄、24歳。 趣味は風俗通い。 彼女いない暦……」
「そこは伏せてやれ。 武士の情けだ」
個人情報を躊躇なく読み上げるテリアを制し、クリストハルトは被害者に近寄って観察を始めた。
「事件があったのは、およそ30分前。 外傷はなく、何かと争った形跡も無し。 凶器は不明だが、指や口に付着している茶色のコロイド状の物質が原因と思われるニャ」
「確かにおかしな事件だな。 いったい何があったというんだ? おい、キシリア! お前何か知ってるだろ!!」
たしかに、この家で発生したことならばキシリアが知らないはずは無い。
振り向けば、キシリアはさもつまらなさそうな表情でこちらを伺っているところだった。
「知ってるけど、アホらしくて話す気にもならん。 探偵ごっこがしたかったら勝手にやってろ。 どうせ午後からはしばらく暇だ」
そう告げると、彼女は今日の売り上げの計算をするために、小さな金庫を持って二階に上がってゆく。
とりあえず捜査の協力は得られないらしい。
「それにしても、何だ? この茶色い物質は……なんか、匂いをかいでいると心の奥底がザワザワとするような……」
「あ、ハルトもそう思う?」
「あぁ。 初めて嗅ぐのになにか懐かしいというか、頭の中がざわめくというか」
「んー 別に俺たちはそんな感じはしないニャ。 むしろ、このピリピリした匂いを嗅いでいると寒気を覚えるというか……」
「とりあえず、気絶してるポメはどうするにゃ?」
「十分楽しんだから、ベッドにでも放り込んでおけ」
「あいあいさー だニャ」
相変わらず意識の無いポメを担ぎ上げると、マルとテリアは寝室へと消えていった。
「キシリアが変なことをするのはいつもどおりだが、今回はとりわけ謎が多いな」
「……そうだね」
残ったクリストハルトと二人で首をかしげていると、不意に上からキシリアの声が降ってくる。
「クリストハルト! よかったら今晩の晩御飯に、お前の友達も呼んでいいぞ」
「珍しいな? 何人ぐらいまでならかまわないんだ? たぶん呼んだら10人ぐらい押しかけてくるぞ」
「問題ない。 たっぷりと用意してあるから、好きなだけ呼べ」
なんとも気前のいい話である。
「珍しいね」
「あぁ、本当にな。 とりあえず、俺は雨がまた振り出す前に近所の知り合いに声をかけてくる!」
そう告げると、クリストハルトはエプロンを外しただけの姿で外に飛び出していった。
傘を持って行けという忠告も間に合わない。
そ
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