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とあるIFの過去話
四話
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りません。だからあなたに殺されたいのです。実験を続ければ、妹達が意味もなく一人残らず殺されることは無くなります。実験を続けなければ、ミサカ達は一人として生きられません。ですが実験を続ければ。続けて、あなたがレベル6になれば、それが少しでも早ければ、もしかしたらその時、その分だけでも妹達は殺されずに済みます。ミサカの死に意味が出来、彼女たちを助けられる」

そうなのかもしれない。一方通行が自主的に実験に参加すれば、自主的に力を求めれば、少しでも早く実験<レベル6>を成功させれば、その分だけでも妹達は殺されずに済む。それにレベル6ともなれば、研究者は自分の要望を無視は出来ないだろう。価値の無くなったクローンぐらい、ミサカの望んだように死なせずに、外に出してやれるだろう

「それに、今のミサカには無理ですが、ミサカ達は互いの記憶や情報を共有できます。死んでしまったとしても、その記憶は、誰かが引き継いでくれる」
「だから、お願いします。ミサカを、ミサカ達を」

そうしてミサカは、初めて自分を殺す男の名を言う

「殺して<救って>下さい。一方通行」



「……分かった。オマエを殺してやる」

長い沈黙の後、一方通行は小さい、けれどはっきりとした声で言った
襟元に合った手を離し、ミサカの胸元に、心臓の近くに持っていく

「ありがとうございます」
「最後に聞かせろ。その服はどうした。それと、俺に殺されると知ってて、何で俺に会いに来た」

俯いた一方通行の顔はミサカには見えず、その顔がどんな表情を浮かべているのか、ミサカには分からない

「会ったのは偶然です。あなたについていったのは、ミサカを殺す相手がどんな人物なのか興味があったからです。ミサカ達二万体を殺すような相手なので、人格の破綻した、狂人なのだと思っていました」
「ですがあなたは違いました。冷たく見えますが、とても優しい人でした。だからこそ、ミサカはあなたと親しくなったことを、去り際の言葉を聞いて後悔しました。あなたはきっと、自分を責めるでしょうから」

ああ、それがあの去り際の表情なのかと、一方通行は理解する

「それと、この服は頼んで着させてもらいました。もう着る機会はありませんから。あなたが買ってくれたものを着ないまま、というのはもったいありません」

そうか、と呟いて一方通行は式を思い浮かべる。痛みなく、苦しみなくミサカが死ねるだろう式を

「できるなら、ミサカはこの服を着て、また」

そして、ミサカに触れた手からその力が発動する

「あなたと、苦いコーヒーが飲みたかった―――」

そしてミサカは、僅かに浮かべた笑みのまま心臓の鼓動を止め、その体は生命活動を止めた



『これにて、今回の実験を終了する。次回の場所などにつ
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