四話
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つための支えの棒を握っている
どう見ても戦える風体ではない。最低限の処置がされているとはいえ、間違いなく病院に向かうべき傷だ
「……ではこれより、実験を再開します」
その言葉を言い、ミサカは右手を持ち上げ、銃口を一方通行に向ける
だが、弾丸は放たれない。傷ついた右手にはもはや、引き金に指をかけ、引き絞るだけの力がない
「……なァ、オマエはこれでいいのかよ」
その声に力はなく、何かを堪えるように放たれる
「実験は既に始まっています。早く行動を開始して下さい」
「オマエは、このまま死んじまって、それで満足なのかよ。なァ、それで――」
「でなければ、ミサカの価値が無くなってしまいます」
その言葉を聞き、一方通行は一気にミサカに近づき、地面に引き倒す。その衝撃で右手から武器がこぼれ、今日買ったばかりの髪留めが外れる。痛みに僅かに呻くミサカの上に乗りかかる様にし、その襟元を掴む
「何が、価値が無くなるだ! 俺に殺される、それだけがオマエの価値じゃねェ。このまま俺に殺されていいのかよ、妹達に外の楽しさを教えてやりてェンじゃなかったのかよ? なあ、教えろよ!」
「……これしか、ないんです」
僅かな沈黙の後、絞り出すような声でミサカは言った
「最初のままでしたら、ミサカはそのままあなたに殺されることを、死ぬことをなんの躊躇いもなく受け入れたでしょう。ですが、僅かな時間ですがあなたと過ごし、その時間を楽しいと思えたミサカは、死ぬことに対して僅かですが恐怖があります」
「……だったら、なんで抵抗しねェ」
「意味がないと知っているからです。この学園都市にミサカの、ミサカ達の逃げ場などありません。ミサカ達の数は、一人二人ではないのですから。私一人が逃げようとなどしても意味がなく、そして、妹達を見殺しにしたくありません」
倒れた衝撃が傷に響いたのか、着たばかりであろう真新しい服の、腹部の部分に血がにじむ
「それに、あなたがいくら言おうと、ミサカ達はあなたに殺されるためだけに作られた個体です。ミサカがこんな思考をすること自体が異常なのです。それ以外の価値を見出されません。そのように作られています。あなたに殺されないということは、ミサカ達の存在を否定するのと同じです」
「もしも、あなたがミサカを殺さないのであれば、ミサカは、ミサカの妹達はただ無意味に殺されます。それこそ御免です。自分たちが作られた理由さえ果たせず、ただ無意味に死にたくはありません。何も知らない彼女たちが、ただ殺されるなんて御免です」
だから、ミサカを殺して下さい。とミサカは言う
「……訳がわからねェ。死にたくねェンじゃねェのかよ。妹達を助けてェンじゃねェのかよ」
「ええ、死ぬ事には恐怖があります。ですが、ミサカはもうどうにもな
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