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とあるIFの過去話
四話
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んだのは、こちらの手の者だ。既に君の知らぬ所へ運ばれ、処置を受けているだろう。後は、既に用済みとなった旨を伝えるだけだ」

何かを言おうとし、何を言えばいいのか分からず、一方通行は開けた口から言葉が出てこない
実際に、事はこの男の言う通りなのだろう。だから言うべき言葉が分からないし、現状を理解してしまう
居場所を聞くために脅そうとも、この男が喋る保証などなく、時間的にも間に合わないだろう。仮に聞き出し、間に合ったとしても、その間に他が、ミサカが大切だと言った妹達は間違いなく助からない。だからといい、妹達を守る為に動けば、間違いなくミサカが助からない。もう二度と、あいつに会えない
ミサカを助ける方法が、ミサカが大切だと言った妹達を助けるすべがない。どちらかを切り捨てるしか、見殺しにする術しか思い浮かばず、そしてどちらも選べない

「だが、もし、もしも、先ほどの参加を辞退する旨を撤回し、君が実験を続けてくれるのならば、クローン体の破棄を中止し、君を00001号の下に連れて行こう」

だからこそ、その言葉に惹かれてしまう

「最後にもう一度だけ聞こう。一方通行、君は実験に協力してくれるかね?」




結局、一方通行がとったのは行動は、男の胸ぐらを掴む手を離し、無言で俯くこと
それを了承だと取ったのか、男は胸ポケットから取り出した機械に対し、二、三言葉を発し、一方通行についてくるように言って背を向ける
男につき従い、一方通行は研究所の中を進む

「……あいつはどこにいる?」
「00001号なら奥の部屋で君を待っている。既に準備も済んでいるだろう」
「……騙しやがったな」
「騙してなどしないさ。君の知らない所に居る、と言っただけだ。言っておくが、連れだそうとしても無駄だ。その対策も既に済んでいる」

恐らく先ほど機械に対して呟いていたのがそうなのだろう。もっとも一方通行に確かめる術は無いが
男が止まるのに反応して立ち止り、見ればつきあたりに扉がある

「あの中にいる。では、実験が成功することを祈るとしよう」
「―――地獄に堕ちろ、糞野郎」



「お久しぶりです。とミサカは分かれて一時間もたっていないのに、場を和ますための小粋なジョークを言葉にします」

何を思ったのか、着ているのは常盤台の制服ではなく、一方通行が買ってやった服に身を包んでいた
そんな彼女を一言で表すならば、満身創痍というよりほかない
ある程度の処置は済んでいるのだろう。だが、いたるところに巻かれ、にじむ血で赤くなっている包帯が痛ましい
砕けた欠片で切り裂かれた右手は包帯でまかれ、サブマシンガンを持っている
血を流しすぎたためか、それとも暴発により抉られたためか、恐らく自力で立つことも困難なのだろう、無事な左手には姿勢を保
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