三話
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これはその第一実験なのだよ』
「テメェはもう黙ってろ!!!!」
電話が終わった一方通行は両手でミサカの体を支え、衝撃が一切伝わらないように気をつけながら表の道を目指す
早いもので、人通りがなく静寂に包まれた中、赤いランプを回し、既に到着していた無地の救急車から降りてきた隊員にミサカを預けると、すぐさま救急車は発進していった
学園都市製の救急車は設備が豊富で、下手な病院よりも物によっては整っている場合もあるため心配はいらないだろう
そのため、それを見送った一方通行はすぐさま怒りのままに行動を開始した
(糞科学者どもが、ふざけてンじゃねェぞ!!)
幾度か訪れた研究所に着くや否や、一方通行は秘匿の為にある幾つものセキュリティーを無視し、研究所の扉をぶち破る
ここまで来る際に鳴ったアラームのせいか、慌ただしく動いていた研究員たちが轟音と共に吹き飛んだ扉に反応して動きが止まる
そんな中、一方通行は侵入。責任者を見つけようと周囲を見渡し、そこにある大きなガラス管の中にミサカと同じ顔の少女が浮かんでいるのを見て怒りが増す
(あれが言ってたクローンで、あいつの言ってた妹達、か。見たところまだ肉体だけで意識まではねェか。それよりも此処の責任者はどいつだ。経験上、下っ端が潰れようと実験は終わらねェ。この糞どものトップはどこに―――)
「随分と早い到着だな、一方通行」
恐怖にかられた表情の研究者を見渡す中、カメラ越しに聞いた声が聞こえた
おそらくそいつがここの研究所の責任者なのだろう、唯一恐怖の表情を浮かべず、手に幾つもの書類を持った見なれない顔の白衣の男が立っていた
その事に対し、一方通行はわずかに疑問を覚える
今まで自分の研究に関わってきた相手は例外なく自分に対し恐怖の感情を向けてきた。どれだけ高い野望を抱こうとも、一方通行の高すぎる才能の前に顔をそむけてきた。だが、それを相手が理解するまでの間にはいくらかの時間が必要だ
理解するまでの間に自分に対し高圧的に出ようとした研究者もいなかったわけではない
恐らく、今自分の前にいる研究者もその類なのだろうと一方通行は理解し、相手の胸ぐらを掴んで壁に押し付ける
「おい、今すぐにでも実験を凍結しろ。これはお願いじゃねェぞ。命令だ」
「何を言っている。そんな要請を受け付ける訳にはいかない」
自分よりも小さな相手に身動きとれぬようにされていながら、男はいささかも調子を崩さない
「舐めたこと言ってンじゃねェ。一介の研究者がこの俺に意見できるとでも思ってンのか。テメェはただ言うこと聞いてりゃいいンだよ」
「既にこの計画は動き出している。今更子供の癇癪に着き合っている暇はないのだよ」
「――――なら勝手にしてやがれ。だが、俺はもうテメェらには協力なンざしねェ。そ
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