二話
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サカは帰らなければなりません。あなたも用があるのでしょう」
先ほどの事に驚き、何の返答も出来ないまま聞く
「今日はありがとうございました。きっとこれが<楽しい>ということだったのでしょう。……妹達にも、知らせてあげたかったです」
「……オマエ、妹がいたのかよ?」
「ええ。明確には違いますが、妹のような、大切だと思える存在がいます」
思わず返した言葉に、ミサカは、僅かにだが、確かに優しさを感じられる声で返す
顔を伏せたまま一歩近づいたミサカは飲みかけの缶コーヒーを一方通行に差し出した
「ミサカでは飲むことができませんのでお願いします。あなたには迷惑をかけてばかりですね。とミサカはあなたに謝ります」
そのまま一歩下がり、では、と言い背を向け去って行こうとする背中に、一方通行が声をかけ、あの時の答えを返す
「確かに、テメェには迷惑をかけられてばかりだったぞおィ。……だがな」
軽く息を吸い込み、言い放つ
「それでも、つまらなくはなかったぜ。今度はもっと常識を知ってから、そいつらも連れて来いや」
そう言い切り、微かに笑みを浮かべた一方通行は、その時振り返ったミサカの顔を一生忘れないだろう
無表情の顔をわずかに崩し、先ほどよりもなお一層悲しみをたたえ、泣き出しそうな、まるで、けっしてしてはいけなかったことをしてしまった事を嘆くようなミサカの顔を
ええ、では、また今度――
そう言い残し、ミサカは走り去って行った
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