二話
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たのは自分にとってつまらないものだったのだろうか?
誰かを傷つけないようにと過ごしてきた自分が、他人に触れられ、誰かと共に過ごした時間がくだらないものだったのだろうか?
――――――――認めたくないが、そんなこと、考えるまでもないのかもしれない
「確かにお前には振り回されてうぜェとも思ったが、それでも―――
「そんなことよりものどが渇きませんか?ああ、あんなところに自動販売機が。とミサカはなぜかしんみりとした顔のあなたに告げます」
自分から振っておきながら返事を聞かず、先ほどまでの悲しげな雰囲気など微塵も感じさせないミサカの言葉が一方通行の言葉を遮った
「テメ、人がせっかくテメェの質問に柄にもなく答えてやろうと―――
「そんなことより、ミサカはリンゴ果汁を所望します」
「……ああそうか。ちょっと待ってろ」
そう言い、一方通行は自販機に向かって歩く
人に質問しておきながら無視してくれた相手に対する嫌がらせに、赤く自己主張するリンゴ果汁の物を無視し、完全無糖のブラックコーヒーを一つと自分用に微糖コーヒーを買い戻る
「ほらよ、俺のおごりだ。飲め」
「ありがとうございま……なんですかこれは」
「おいおい、人におごらせといてまさか飲めねえなんて言わねえよなァ」
にやにやと口元を歪めながら言い、自分用の缶をあけて口をつける
じーとこちらを見ていたが観念したのか、ミサカも缶を開けて口に含み―――初めて表情を崩した
表情を崩したと言ってもわずかなもので、眉根を寄せ微かに額にしわが寄った程度だ。それでも初めて見る表情に一方通行はわずかに驚いて見つめる中、固まっていたミサカが動き始め、何とか飲み込み表情が元に戻った
「苦すぎます。何ですかこれは。とミサカはあまりの苦さに驚愕の念を抱きます」
「おいおい、缶のブラックごときで苦いとか。趣味もそうだったが味覚までガキですか―?」
「そういうあなたは微糖のものを飲んでいるじゃありませんか。とミサカは自分の事を棚に上げるあなたに言い返します」
「オレは微糖の方が多いだけで、偶にだけどちゃんとブラックも飲めます―。あなたとは違うンですー」
そういいながら一方通行は自分の缶の中身を飲み干し、自販機の横に合ったごみ箱に向かって投げ捨てる
それを見ていたミサカの方は、これ以上飲めないのか缶を持った手を下ろし、何かを言おうと口を開き
―――――瞬間、夕刻を告げる放送が辺りに響いた
一方通行はもうこんな時間に成ったのかとわずかに驚き、ミサカの顔を見―――息がとまった
そこには微かに口を開いたまま無表情に、茫然とした、何かを悔やむように、悲しむように感じられるミサカの顔があり、それはすぐに伏せられ表情を見ることはできなくなった
「そろそろ時間なので、ミ
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