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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第八幕 「その刃の向かう先」
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。何せセシリアはIS学園全体で見てもトップクラスの実力を誇っている。2年生や3年生、下手をすれば教師に並ぶだけの技量を誇っているのだ。
いくらなんでもこの実力差は、IS初級者の一夏にとっては荷が重すぎる。
しかも、セシリアはどうやら頼まれてもいないのに勝手に機体や使う技術にハンデをつけているようだった。セシリアなりのフェアの精神なのかもしれないが、それであの結果とは末恐ろしい、と山田先生は思う。

「とはいえ初見であれだけ食い下がったなら見事なもんでしょ。まぁ、織斑君の奇策に全て対応して見せたセシリアさんはもっと凄いけどねー」

どうやら持参したらしい煎餅を齧りながら佐藤さんがフォローする。
ちなみに彼女が此処に来ていた理由は、教師陣が居るためより試合の詳細が分かると考えたからであったりする。普通の人生を送るには判断材料たる情報が命。
・・・IS学園に入学できている時点であまり普通じゃないとは言わないお約束である。

「だが、あいつは此処でへこたれるほど軟な奴じゃない。むしろいい教訓になっただろう」
(流石ブラコン)
(やっぱこの人ブラコンだな)
「やっぱり織斑先生はブラコンですねー」
「・・・山田先生。ここに砂糖の代わりにしこたま塩をブチ込んだおいしいコーヒーがあるんだが、一杯いかがかね?」
「え?いや、その・・・」
「なるほどそんなに飲みたいですか。では遠慮なくどうぞ」
「ちょ、ごめんなさい!冗談、冗談ですから・・・アッー!!」
(おお、歴史の前倒しが起きてる)

阿呆らしい悪ふざけをする教師二人をよそに箒がオペレーター代理を務める。
何せ時間が押しているのだから余りのんびりしている時間はないのだ。
セシリアの方は既に破壊されたビットの再量子変換(インストール)及びシールドエネルギーの回復を終えたという連絡が届いている。

「・・・で、ユウ。準備はいいか?私は出来てる」
『こっちも問題ないよ。さっきフィッティングも終了した』

落ち着いた声が返ってくる。彼も一夏が負けたことに少なからずショックを受けているのか、その声は少しだけトーンが低い。だが、圧倒的な技量の差を見せつけたセシリアに対する恐怖は、少なくとも箒には感じ取れなかった。

「・・・厳しい戦いになる。勝ち目は無くもないがな」
『だったら蜘蛛の糸を手繰るまでさ。残間結章、“風花(かざばな)”出ます!』



 = = =



黒き巨体がアリーナを舞う。その先には彼の友人と対峙した蒼い滴。

「怖気づいてはいないようですわね?結構な事ですわ」
「先に出撃して色々情報をくれた一夏のためにも、セシリア・オルコット・・・この勝負、貰うよ!!」


二回戦、試合開始。

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