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トーゴの異世界無双
第百七話 スレンて……勇気があるよな
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 彼は直撃した魔法の威力に吹き飛ぶ。
 だがまだ終わってはいない。
 今度はスレンが『火の流星群(シューティングスター)』の餌食(えじき)になる。


「キャアァァァァッ!!!」


 この声っ!? やっぱりっ!
 闘悟は心の中で何かを確信していた。
 必死に体を捻(ひね)らせ全弾命中は防ぐが、何発かは直撃する。
 一つ一つは威力は弱いが、これだけの数の集中攻撃では中級以上の威力と遜色(そんしょく)は無い。
 ウースイもスレンも舞台から転げ落ちる。


「こ、これはすご〜〜〜〜い! 両者ダブルノックダウンかぁ!?」


 モアの実況が闘武場を包む。
 あまりに激しい衝撃に観客達はより一層盛り上がっている。
 闘悟は飛んで行ったスレンのもとに向かう。
 どうやらバンリドもウースイのところへ向かってるみたいだ。


「大丈夫か!」


 地面に転がっているスレンに声を掛ける。
 鎧も半壊(はんかい)している。
 フルフェイスだった兜も、後頭部の方が壊されていて、長い赤髪が出現している。
 その髪を見て闘悟は溜め息を吐く。
 やっぱりな……。
 彼女の意識を覚醒させるように体を揺する。
 すると、体がビクッと痙攣(けいれん)する。
 どうやら無事のようだ。
 確かに幾つか攻撃を受けたみたいだが、頑丈(がんじょう)な鎧だったのか、重症というわけではない。


「う……うぅ……」


 スレンは上半身を声を絞りながら起こす。
 自ら体を起こした様子を見てホッとする。


「ふぅ、焦ったぞ?」


 スレンは軽く手を上げ大丈夫だという意思表示をする。


「そっか、でも何で試合に出てきたんだステリア?」
「それは、やっぱ出たいじゃないの」
「でもお前は一応王女だろ?」
「馬鹿ね。だからこうして身を隠……し……て……へ?」


 スレンは完全に凍りついて闘悟の顔を見つめていた。



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