第百六話 レアな魔道具ってやつか
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るならその機会もあるだろうと思い、考えを放棄した。
闘悟はじっくり大会を観察していたわけではないので、リューイが大会でどのような結果を出しているのか知らない。
実は彼はタッグマッチ戦にまで勝ち残ったはいいが、パートナーに恵まれず敗退してしまったのだ。
闘悟がそれを知るのは大会の後になってからだが、正直闘悟はあまり気にしてはいなかったので、基本的にはどうでもよかった。
スレンは様子を見ているのか、いきなり動くのではなく、ジリジリと間を少しずつ詰めていく。
ウースイはそれを見てニヤッと笑いながら言う。
「おいおい、何ビビってんだっての! そんなんじゃ日が暮れちまうっての!」
彼はサッと後ろに跳んで両手を広げる。
スレンは警戒をするように動きを止めて見つめる。
ウースイの体から魔力が溢れていく。
すると、彼の周囲に野球ボールくらいの大きさの赤い玉が一つ現れる。
すると、次々と現れる。
それも一個や二個ではない。
十個以上は確実にある。
「火の玉……?」
闘悟は空中に浮かんでいる玉を見て呟く。
ウースイは楽しそうに微笑み闘悟を睨みつける。
「見てろっての黒髪! これがウースイ様の『火連弾(フレイムガトリング)』だっ!」
彼の周りに浮いていた火の玉がスレンに向けて放射される。
優れたピッチャーも驚くほどの剛速球だ。
スレンは前を見据えながら、次々と飛んでくる火の玉を華麗に避わしていく。
「へぇ、なかなかやるじゃねえかっての」
ウースイもスレンの動きに感心している。
「だけどな! それで終わりじゃねえんだっての!」
ウースイはまたも火の玉を複数作り放つ。
だがスレンは体に魔力を宿し、踊るように避ける。
「ほほう、やるやる! だけどいつまでもつかなっての?」
ウースイから終わりなく火の玉が放たれる。
これまで華麗に避けていたスレンだが、このままの状態が続けば体力が底を尽くのは時間の問題かもしれない。
だが、それはウースイにも言えることだ。
あれだけの量の火の玉を放っている彼の魔力も決して無限ではない。
普通ならもう疲労感が顔に出ていると思うが、おかしなことにウースイの顔色は全く変わらない。
それに、さっきから感じてる魔力も変な感じだ。
減ってることには減ってるのだが、あまりに微弱過ぎる。
闘悟は余裕綽々(しゃくしゃく)のウースイを観察する。
足元から頭まで目で追ってみると、ふと気づいたことがある。
「……ん? あのイヤリング…」
ウースイがしている羽の形をしているイヤリングから妙な魔力を感じる。
「……まさか……
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