第四話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「でも……どうするんですか?」
「弾幕で部屋を埋めます。相手はよけながら近づいてくるはずですから……それを悠斗さんが倒してください」
「……わかりました」
「では……始めます」
雛は大きく深呼吸すると、全神経を集中し始める。
その数秒後、雛と悠斗の周りには、無数の弾が姿を現していた。
「……」
雛は何も言うことなく弾幕を作り続ける。
弾幕はどんどん大きくなり、部屋全体を埋め尽くして行く。半透明の物体は遠いからか見えてはいないが、この量と密度では避けざるをえないだろう。
悠斗は必死に目を凝らしてあたりを見渡していた。
(……いた!)
数十メートル先に微かであったがゆれる何かが見えていた。悠斗はすぐにハンドガンを構え、狙いを定める。
だが、相手も機械とはいえ忍者。スピードのせいでほとんど狙いが定まらない。相手の動きを予測し、偏差うちをするしかなかった。
(……いけ!!)
祈るような思いで悠斗は引き金を2・3回引く。
乾いた発砲音が鳴り響いた後、一度だけ金属音が聞こえていた。同時に破損したアンドロイドが音を立てながら倒れていった。
(次!)
一体倒したところで気をぬくわけにはいかない。まだ部屋の中には複数の物体が潜んでいる。
悠斗はもう一度気を引き締めると、再びハンドガンを構えた。
本拠地内 2階
「下の方から音が聞こえますね……戦闘でしょうか」
「悠斗さん……雛さん……」
「急ぎましょう。私達がやるべきことを終えれば、この戦いは終わるわ」
俊司達は慎重に進みながら最上階を目指していた。
「しかし……妙だな」
「誰もいませんね」
残りの警備兵に警戒しながら進んでいた3人だったが、人っ子一人見当たらないまま進んでいた。
囮班が正面で激戦を繰り広げているとはいえ、中に一人も残っていないのは逆に不自然だった。革命軍の本拠地だということもあり、兵士の人数はバカにならないはずだと予測していたからだ。
3階に上がっても状況はまったく同じ。不信感だけがつのっていった。
「……もしかして……はめられてるのか?」
「わからないわ……だとしたら……なにか策があるはず」
そう言って紫は後ろを振り向く。
(なにもな……!?)
一瞬何もないと判断したが、その数秒後には危機を感じ取っていた。
かすかであるが、空間がゆがんでいるように見えていた。それも全体ではなく一部だけ。しかも、わるいことにこっちに近づいてきているようだった。
誰かいる。そう判断した紫は、半分無意識に弾幕を作
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ