第6話 顕われたのは黄泉津大神の眷属ですよ?
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炎の塊《プロミネンスボール》。
その炎の塊は、放つ光に相応しい温度と、そして破壊の力を秘めて、光の帯に拘束されたまま未だ動けずに居る毒蛇に襲い掛かった!
その瞬間!
炎の塊に包まれた毒蛇が身体全体を反らすように苦痛に吼えたように空中でのたうち、次の瞬間、大地を叩き付けるように落下した。
そして、赤き炎に包まれたまま、大地でも蠢き続けていた毒蛇がやがて動かなくなり、やがて、土へと還って行ったのだった。
大地に叩き付けられた一誠の周囲に、無数の蛇たちが襲い掛かった。
そう、濡れた牙を剥き、鱗をぬめらせ、倒れた一誠の聖衣に護られていない部分を。そして、神の雷を受け聖衣の破壊された部分を目指して殺到して来たのだ!
【くわせろ!】
大地を覆い尽くすかのような蛇たちが、波打ち、そして津波の如き勢いで一誠をそのまま覆い尽くして仕舞う!
生きながら、精気を貪り喰われる激痛に、手放して失った意識を再び取り戻す一誠。
それは最早、物理的な激痛。痛みとも、灼熱とも付かない何かが骨の中心を走り抜け、傷付いた少年を苛む。
こんな場所で果てるのか?
一瞬の内に数度、意識と無意識の狭間を往復し、その度に、彼の岸が近付いて来る事が理解出来た。
しかし、その度に湧き上がる別の力の存在も明確に感じられる。
それは――――
「六道輪廻」
短く、そして、囁かれるように放たれた言葉。しかし、その一言には、今までのそれ以上の何かが籠められて居る。
その刹那、完全に彼を覆い尽くし、すべてを奪おうとして居た蛇たちが、一瞬の内に消し飛ばされて仕舞った。
そう。それぞれがより己に相応しい世界へと、一瞬の内に送り届けられて仕舞ったのだ。
額から血を流し、聖衣の胸当ての部分は大きく破損し、そして、黒く焼け焦げた痕すら存在する身体を引きずるように立ち上がる一誠。その姿は、最早、黄金の戦士と言う存在などではなく、この場所。黄泉の国へと続く道、黄泉比良坂により相応しい雰囲気の存在。
しかし、彼から感じるのは瀕死の人間が放つ弱々しい生命の炎などではなく、生死の狭間を垣間見る事により、より巨大な物となった彼の小宇宙。
傷付き、倒れる度に高められ、生死の狭間を垣間見る事により、更に巨大な物へと成長して行く。それが、聖闘士が持つ小宇宙。
そして、その究極の姿こそが、第六感を越えると言う――――。
第七感。
この能力に目覚めた者は小宇宙を最大限まで高める事が出来ると言う。
但し、それを目覚めさせた者は、数多存在する聖闘士の中でも、一握りの者に限られていると言われている。
正に幽鬼の如く、と言う表現がしっくり
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