第6話 顕われたのは黄泉津大神の眷属ですよ?
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は物理や光、闇は通用せんで。不気味な姿に見えるけど、あいつ等は黄泉津大神の眷属。つまり、一種の神や」
まるで体重の無い者のような軽やかな身のこなしで紡の右肩に飛び移った、タマと呼ばれた白猫が、彼の耳元でそう話し掛けて来る。
その瞬間、再び放たれる氷の華。
「まして、ここは人間界と霊界の狭間の世界やから、奴らの物質度は高く、普通の瞳でも見える。せやけど、ホンマは魄だけの存在やから、物理攻撃は無効や」
三百六十度全ての方位に向かって放たれた氷の華が、再び接近しつつ有った禍津霊を瞬間の内に散華させる。
怨嗟と、憎悪の叫びを上げて消えて行く禍津霊たち。
この白猫は、風と水。冷気の属性を自在に扱う存在と言う事か。
漠然とそう考えた紡。確かに、光と物理が封じられた場合、先ほどのパームパンチは通用しない。
おそらく、ヤツの放った瘴気を真面に浴びた上に、本体に触れた瞬間、精気を持って行かれたのがオチで有ろう。
「兄ちゃん、そこで、ひとつ頼みが有る」
再び、全方位に向けて放たれる氷の華。
それと同時に、宙に舞い上がる紡。一か所に留まるのは危険。それに、霊体に直接触れる事はなくとも、奴等の吐き出す瘴気に触れるのは、身体にどんな害をもたらせるか想像が付かない。
その一瞬後、紡が立って居た場所に、周囲から殺到する異常に濃い瘴気の渦。
「ハク。黒髪の巫女さんに光を当てて欲しい。最低でも三方向から」
意味不明な言葉を耳元で告げて来るタマ。但し、今まで、この猫が示した能力は並みの猫が示すそれではない。
ならば!
ハクの張った結界と、邪気、瘴気が渦巻く魔界との境界線上に三枚の光の壁を構築する紡。
その光の壁が発する明るい光が、昏い黄泉に続く道に立ち、何かの呪文を唱え続ける金の髪の巫女と、黒髪の巫女の姿を浮かび上がらせる。
その姿は、邪気と瘴気が渦巻く世界の中心に有るには、あまりにも儚く、そして、清らかな存在で有った。
………………。
間違いない。今ならば確信出来る。先ほど顕われたあの青年を殺した……。倒したと言うのは、彼女たちは悪ではない。
あのバンダナを巻いた青年こそが、この事態を引き起こした存在。そして、おそらく、その後に顕われた皮手袋の青年も、その悪しき事件を起こした青年に関わりが有る以上、善なる存在とは言えないだろう。
そう、紡が感じた刹那。
「六道輪廻」
神にも等しい小宇宙の特殊効果により、禍津霊と呼ばれる小神たちを、その有るべき世界へ送り込みながら少しずつ前進を続ける一誠。
そう。このギフト・ゲームの勝利条件は扉を閉じる事。
それならば、乙女座の黄金聖衣を纏
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