機動戦士ガンダムSEED
0240話
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「ほう……」
パーティ用のドレスに身を包んだコーネリアを目の前にした時、俺の口から出たのはその一言だけだった。
似合っていないのではない。似合いすぎていて目を奪われてしまったのだ。
燃えるような赤の生地を使ったパーティドレス――イブニングドレスと呼ぶべきか――。胸元は大胆に開かれ、豊かな胸のおかげで深い谷間が作られており俺の目を引きつけて放さない。肩や背中もまた胸元同様に開かれており、白く艶めかしいとすら言える芸術的な曲線を惜しげもなく披露している。
ブリタニアの魔女と呼ばれる程の戦士として幾多もの戦場を駆け巡ってきたコーネリアだったが、その身体には傷一つ見当たらない。今のコーネリアを見て人型機動兵器のパイロットをやっていると言われても信じる者の方が少ないだろう。ブラックリベリオン時の怪我も、シャドウミラーの技術のおかげで綺麗さっぱり消え去っているしな。
また、ドレス全体を見てもコーネリアのメリハリの利いたボディラインを際立たせるような仕立てとなっており、普通の女がこのドレスを着たら下品と言われるような代物だ。女としての艶やかさと皇族として育って来た威厳の両方を併せ持つコーネリアだからこそ着こなせ、壮絶なまでの色香で俺の目を引きつけて止まないのだろう。
「どうした? その……似合っていないか?」
俺が言葉を発さないので不審がったのか、どこか不安そうな口調で尋ねてくる。
そのコーネリアの言葉で我に返った俺は軽く首を振ってその問いを否定した。
「いや。似合いすぎていて、思わず見惚れていた。改めてコーネリアを恋人に選んだ自分の目の確かさを褒めてやりたいくらいだ」
「そうか? アクセルにそう言って貰えると嬉しいな。……だが、元々私はパーティといったものにはそれ程縁がなくてな。その手のものはユフィに任せきりだったから」
その一言で死んでしまったユーフェミアの事を思い出したのだろう。目に悲しみを浮かべ、顔を伏せる。
「そうか。なら俺はユーフェミアに感謝しないとな」
「感謝?」
「だってそうだろう? ユーフェミアが代わりにパーティに出ていたからこそ、今俺の目の前にいるようなコーネリアを目にした者は少なかった訳だ。もしコーネリアのこの姿をもっと多くの人が見ていたら、恐らくブリタニア皇族云々に関係なく結婚の申し込みが殺到していただろうさ」
そう言って、コーネリアの頬を軽く撫でる。
「全く……お前は無意識に口説いてくるから困るな」
どこかくすぐったそうに俺の手を受け入れていたコーネリアが、苦笑を浮かべながら自らの頬を撫でている手に自分の手を重ねる。
その顔からは、取りあえずだがユーフェミアを思っての悲しみは鳴りを潜めていた。
「失礼します。アクセル様、コーネリア様、そろそろパーテ
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