第百五話 あれがオレの対戦相手だな
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「ほらタイセー行くで!」
「うん、分かった」
「あ、セイラ」
「へ?」
舞台から去ろうとするセイラをミラニが呼び止める。
「そ、その……」
少し照れたように言いよどむ。
「どないしたん?」
「そ、そのだな……この大会が終わったら、また話でもしないか? その、いろいろと……」
「ええで! 大歓迎や! セイラも喋りたいし!」
「そ、そうか!」
パッと安心したように笑顔になる。
「あ、私も一緒にどうかなぁ?」
突然シャオニが割り込んでくる。
「おい貴様、何を突然……」
「ええ〜いいじゃ〜ん!」
耳をピョコピョコさせながら言ってくる。
「ええで」
「ホント! わぁ〜嬉しいよん!」
「おいセイラ……」
「ええやんミラニちゃん! 宴会は人数いた方がおもろいし!」
「宴会……?」
「ん? 違(ちゃ)うん? 大会終わったらやっぱ宴会やろ?」
ニンマリと笑う彼女を見てミラニは大きく溜め息を漏らす。
「はは、分かった。楽しみにしておこう」
「ほんじゃ、本選頑張りや。トーゴくんも!」
闘悟は軽く頷きを返す。
二人が舞台から去って行くと、いきなりシャオニが闘悟の腕を掴んでくる。
「なっ!」
闘悟は驚き声を上げるが、あまりにも彼女が顔を近づけてきているので照れてしまう。
「久しぶりだねぇ、トーゴちゃん!」
彼女は嬉しそうに笑顔を向けてくる。
「き、き、貴様達何をしている!」
ミラニは二人に指を差して怒鳴る。
「オレは何もしてねえって!」
「ん〜トーゴちゃんってあったか〜い!」
さらに力を込めて闘悟の腕を両腕で掴んでくる。
む、胸が当たってるし!
彼女の胸は闘悟が出会った誰よりも豊満である。
その二つの柔らかい物体が、闘悟の腕のせいで形を崩している。
腕から伝わる感触に照れて焦っている闘悟を見て、シャオニはニヤリと笑う。
「前にも言ったでしょ?」
「へ?」
「つつくくらいなら……いいって?」
目の前の美少女が、誘惑するように怪しき光を瞳に宿して言葉で耳をくすぐってくる。
こ、これは強烈だな……っ!
いっそこの感触に身を委(ゆだ)ねれば楽になるのだろう。
だがしかし、闘悟にはそんなことよりも優先すべきものがあった。
それは憤慨(ふんがい)しているミラニと、VIPルームにいる者達から伝わってくる黒い視線がとんでもなく闘悟の精神を削っていくのに耐えることだ。
「いつまでそうしているつもりだ! この幼女鬼畜が!」
「そう言ってもよぉ! こら! いい加減離せ!」
「
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