第百五話 あれがオレの対戦相手だな
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だか分からないが、ホウキ頭の男は必要以上に噛みついてくる。
何かしたかなと考えるが身に覚えはない。
「いいか? フービに勝ったくらいでいい気になるなっての! アイツはただの下(した)っ端(ぱ)の力バカなんだっての!」
そういうことかと納得する。
この男は、どうやらヴェルーナ魔法学園の関係者。
そして、フービを下っ端呼ばわりするということは……。
「アンタ、『五色の統一者(カラーズモナーク)』の一人か?」
するとホウキ頭はニヤッと笑みを溢す。
「そうだっての。俺は第六学年『アンコンクェラブル』のルームリーダー、『紫の弾幕(だんまく)』のウースイとは俺のことだっての!」
自慢するように胸を張っている。
「じゃあ、俺も言っとこうかなぁ」
ボサボサ頭の男が名乗り出る。
「俺も同学年『オルビーディエント』のルームリーダーじゃ。名前はバンリドで、一応皆からは『緑の不動(ふどう)』と呼ばれとる」
ジジイのような喋り方だなと思いバンリドを見つめる。
よく見れば細身のウースイと比べて、バンリドはガタイがいい。
身長も闘悟より二十センチくらい高い。
地球でなら、立派なスポーツ選手にでもなれるような体格だ。
釣り目のウースイと違い、バンリドは垂れ目だ。
驚くほど対照的な二人だと思った。
「まあ、オレのことは知ってるみてえだけど、あっちの……」
スレンの方に視線を促す。
彼女も促されたことに気づいたのか、近づいてはきたが、フルフェイスの兜は取らないので、素顔が分からない。
喋る気もなさそうなので、仕方無く闘悟が教える。
「彼女はスレン。見た所、かなりの人見知りなのか誰も素顔を見たことが無いらしい」
冗談めかして言うが、ウースイは興味が無いようで一瞥(いちべつ)だけする。
「そんな奴はどうでもいいっての! おい黒髪! まずはバトル方式だっての! さっさと決めるっての!」
コイツはコイツで喋り方が鬱陶(うっとう)しいと感じた。
だが彼の言う通りバトル方式を決めなければならない。
「俺は勝ち抜き戦を要求するっての!」
ウースイはそう提案してきたが、闘悟自身、別に何でも良かった。
問題はスレンの方だが、彼女を見ると少し頷いたので、どうやらそれでいいみたいだ。
「いいぞ。んじゃそういうことで、もう始めるか? あ、それと舞台は使うのか?」
「使うっての!」
「お、そろそろ始まるみたいじゃぞ?」
聞くとモアの実況が聞こえてくる。
「さあ! それでは両陣営とも準備はよろしいでしょうか!」
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