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トーゴの異世界無双
第百三話 シャオニって強えな
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は戦士に送るような言葉ではない。
 もちろんセイラ自身も分かっている。
 自分が逆の立場だとしたら、タイセーと同じことをするからだ。
 だがそれでも、やはり目の前で苦しい思いをしている彼を思うと、つい制止の声を掛けてしまう。


「せやけどさ!」


 焦りながら叫ぶ彼女を見て安心させるように微笑む。


「まだ……やれるわ!」


 それを黙って見ていたミラニも目を見張る。


「マズイ! シャオニ殿!」


 シャオニはハッとなってタイセーを見る。
 彼の体から白い雷が迸(ほとばし)り始める。


「『白雷(ホワイトサンダー)』っ!?」


 シャオニは思わず叫ぶ。
 『白雷(ホワイトサンダー)』は細い電撃となって、自分の体を拘束しているシャオニ達の体を貫く。
 すると貫いた部分から氷が解けるように彼女達の体が崩れていく。
 それを見たシャオニは焦りを感じる。
 このままでは拘束が解けてしまい、タイセーが自由になってしまう。


「これはヤバイね!」


 自体の急転にシャオニは急いで決着をつけるべく、他のシャオニ達と一緒に髪を投げる。
 これを受けてしまうと、さすがに体が保(も)たない。
 防ぐ手段はただ一つ。
 だがそれは温存していた魔力を使い切る方法だった。


(このまま黙ってやられへん!)


 彼は目の前を見据えて覚悟を決めた。


「……おおらぁぁぁっ!!」


 全力で魔力を解放する。

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