第百三話 シャオニって強えな
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り、とりあえず本人であろうシャオニに向かって走る。
それを見たシャオニはニヤッと笑う。
「フシシシ、それは悪手(あくしゅ)だよん!」
突然他のシャオニに身体を掴まれる。
「うわっ!」
「タイセーッ!」
セイラも思わず叫ぶ。
両腕両足を掴まれ、完全に身動きを封じられた。
「タイセーッ! 電撃で追っ払い!」
「そ、そっか!」
セイラの掛け声のお蔭でハッとなりすぐに行動を起こす。
「くらえや!」
体から電撃を流して拘束しているシャオニを追っ払おうとする。
ビリビリとタイセーの体から雷魔法が生成される。
そして生み出された雷は、タイセーの体を通ってシャオニ達に流れる。
だがそんな行動を見て、シャオニは笑いながら言葉を出す。
「フシシシ、無理だよん!」
彼女の言う通り、彼を捕らえているシャオニ達はピンピンしている。
「ウソやんっ!」
タイセーは驚愕に顔を歪める。
普通の生物なら体が痺れて動けなくなるほどの電撃を放ったはずだった。
だが彼女達はビクともしていない。
「その程度の雷じゃあ、私の闇は飛ばせないねぇ」
「くっ……」
「そんじゃ、行っくよん!」
タイセーの体を拘束しているシャオニ以外のシャオニが髪の毛を飛ばす。
「があっ!!!」
為す術(すべ)なくサボテンのように髪が突き刺さる。
痛みで苦悶(くもん)の表情を作る。
だが体を動かそうとしてみても、ガッチリ固められていて動かせない。
「どう? 降参かな?」
質問にタイセーはニヤッと笑って答える。
「ね、寝言は言わへんねんけどなぁ……」
「…………そっか、じゃあトドメ行くよ?」
シャオニは急に真剣な表情を向ける。
あまり痛めつけるのを得意としない彼女は、降参してほしかったが、試合である以上手を抜くことができない。
ましてや、これはタッグマッチで、自分一人の責任ではないのだ。
となると、することは一つしかなかった。
誰から見ても戦闘不能だと判断できるようにすることだった。
「タイセーッ!!!」
セイラが舞台に手を掛けながら叫ぶ。
(アカン! これじゃタッチもでけへん!)
このままでは、無防備に攻撃を受け、深刻なダメージを負う可能性が高い。
「もうええから降参しぃ!」
その声を聞き、タイセーは少し厳しい表情を向ける。
「…………それは……アカンやろセイラ……」
いつものセイちゃんとは呼ばない。
彼女は自分の身を案じて声を掛けてくれているのは分かるが、それ
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