第百三話 シャオニって強えな
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闇魔法とは……これはシャオニ選手素晴らしいです!」
タイセーもその解説には耳を澄ましていた。
「闇魔法やって? 初めて見たで?」
「フシシシ、これはね、『闇人形(ダークドール)』って言うんだよん!」
「いつの間にそんなもん作ったん?」
「さっき髪の毛投げた時にちょちょいとね!」
「全く……抜け目あらへんな」
「ちょっとタイセー! アンタ気ぃつけや!」
セイラの声が届くとタイセーは親指を立てて「大丈夫」とだけ言う。
その隙を見て、シャオニはまた動こうとする。
しかし今度はそれをタイセーの雷魔法が邪魔をする。
上空に跳ぼうとしたところ、真上に電撃を流されてタイミングを崩された。
「あっちゃ〜」
「もう跳ばさへんて」
空に飛ばれて、また『髪雨(ヘアーズレイン)』をやられると堪(たま)ったもんではない。
「そっかぁ…………そんじゃあ……これはどうかな?」
するともう一人のシャオニが弾けて周囲に散らばる。
黒い水溜りがたくさんできる。
「な、何や?」
タイセーは警戒しながら周囲を睨む。
黒い水溜りがウニョウニョと動き出し、その場で形を成していく。
そして、周囲に散らばった黒は、先程と同様にシャオニの姿になっていった。
「『闇人形(ダークドール)・十人操(マリオネット)』だよん!」
舞台の上にシャオニが十一人存在している。
その姿は本人と見分けがつかないくらい精巧にできている。
「覚悟はいいかなぁ? そんじゃ、いっくよん!」
シャオニが動くと、作り出した偽物のシャオニも同時に動き出した。
「う、動くんかい!」
てっきり先程と同じで動かない人形だと思っていたので完全に意表をつかれた。
「これは凄いです! いきなり十一人のシャオニ選手! しかも動きましたよ!?」
モアの声を受けてフレンシアが静かに答える。
「あれはただの人形ではありません。魔力で動かしているようですね」
シャオニはそれぞれの人形に、自身の魔力を常に流して操作しているというのだ。
「だから『十人操(マリオネット)』って言うんだよん!」
その十人と、本人の十一人が一斉にタイセーに向かう。
「マ、マジで!?」
タイセーは剣を構えて迎い撃つ用意をするが、本人だけに注意を払っているだけでいいのか分からなかった。
偽物には力などなく、ただの目くらまし程度ならいいが、本人同様に攻撃ができるならそれ相応に対応しなければならない。
「ああもう! どうでもええわ! 本人を叩くんや!」
タイセーは考えるのが面倒にな
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