第12話
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を始める。 ハイパーセンサーから送られてくる情報で、猛烈な勢いで地面に近づくセシリアさんの様子がうかがえる。 上空200メートルを示す表示がガンガンゼロに近づいていく。
このままではぶつかる!! と思った時には、セシリアさんが停止しており、高度を示す表示は114.115[mm]を示していた。 さすがは代表候補生。 きっちり誤差5センチ以内におさめてきたようだ。
次に私が降下を行う。 ISの扱いに慣れていない私はどんな失敗を犯すかわからないので、無理を言って先に降下させてもらった形だ。
ぐんぐん近づく地面に恐怖を覚えてしまう。 いくらISを着ているといっても怖いものは怖いのである。 地面が近づくにつれてブレーキをかける気持ちが強くなってしまい地上10センチには程遠い地上70センチの位置で止まってしまった。
「ふむ、初めての急降下と完全停止で1メートルをきってきたか。 度胸だけはあるみたいだな」
小さくて聞こえづらかったが、確かに織斑先生がほめてくれていた。 まだまだ精進が必要だけど、嬉しかった。 次はもっといい操縦ができそうだと思う。
私が嬉しさをかみしめていると、
「キャァァァァッ!! 危なぁぁぁぁい!!!!」
明らかにオーバースピードで地面に向かって落ちてくる織斑君とそれを見て悲鳴を上げているクラスメイト達がいた。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
叫びながら地面に一直線に落ちていく織斑君は、飛行の感覚がまだつかめていないのか、咄嗟に機体を立て直すことができないみたいだ。 この位置からでは私もセシリアさんも助けることが叶わないため、クラスメイト達と共に、地面に激突する織斑君を眺めるしかできそうになかった。
「ぉぉぉぉぉぉぉぉ…………お!?」
さすがに激突する瞬間を凝視できるわけもなく、目をそらしていた私の耳に届いたのはそんな織斑君の困惑の声だった。
慌てて織斑君のほうを見ると、織斑君を足をつかみ上げ、地面との激突を回避させている【くまたん】の姿があった。
みんなの驚きや歓声を聞きながら私は見ていた。
織斑 一夏 10.002[mm]
友永 風音 100.000[mm] の表示を……。
「よし、全員降りてきたな。 友永も合格だな。 しかし、友永……。 別に織斑のことを助ける必要はなかったぞ。 こういったバカは一回地面に激突させてやるほうがそいつ自身のためになる。 地面にクレーターぐらいはできるだろうが、そんなものは作った張本人に埋めさせればいいだけだからな」
相変わらず辛辣な一言と共に今回の授業は終わりを迎えた。
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