第12話
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するために、最も邪魔なのが初期化なんだよね。 だから、【神代】はコアの初期化なんか一切していないんだ。 普通のISは、別の人が使うときにコアを初期化して、次の人物に最適化するよね? だから、本当に完全に真っ新な状態のISに乗っているわけ。 コアがため込んだ経験とかすべて無視して、初期化するんだよ? ひどいよね。 人間で言ったら60年生きてきた人格や経験を全否定されるようなものだから」
「そして、そんな真っ新なコアに最適化の時間や、一次移行の時間なんかが加わると、次の人に馴染むまでに時間がかかるでしょ? 赤ん坊に最低限の言葉を教えていくようなものだからね。 でも【神代】は違うんだ。 どちらかといえば、様々な人の癖なんかを無制限にため込んでいくって感じかな? よく似た癖なんかを記憶しておいて、それを次の操縦者にあてがって補完していく感じだよ。 データが多くなればなるほど次の人への馴染みが早くなって、より同じ成果を早い段階で実現できるようになっているって寸法さ。 目に見えて最適化とかはしないから感じないだけかもね」
「ただし、弱点もあって、完全にその人に合わせるわけじゃないから、細やかな調整はできないし、自己進化もしないから、二次移行もないよ。 一流にはなれても超一流にはたどり着けないって感じだね。 具体的に言うと、代表候補にはなれるけど代表にはなれないって感じ?」
一気に説明してくれる友永さん。 一流にはなれても超一流にはなれない? それでも驚異的だった。 それが本当ならこれほど強力な武器もないであろう。 誰が乗っても代表候補生と同レベルの操縦ができるISなんて驚異以外の何物でもない。 量産がもしされれば世界の情勢が変わってしまうほどのものである。
「よし、お前たち次は急降下で降りてこい。 そして、地面から10センチのところで停止して見せろ。 言っておくが国家代表ともなれば簡単に行えるようなことだ。 代表候補生であっても誤差5センチ以内にはおさめられるぐらいに簡単なことだからな」
【神代】について真剣に悩んでいる間に、織斑先生から次の指示があった。 慌てて下を向くと、織斑先生が腕を組んでこちらを見上げているのが見えた。 軽く腕を組んでいるだけなのにすごく様になっていてカッコいい。
その横ではなぜかクラスメイトの隠れた有名人、篠ノ之 箒さんがインカムを握りしめてこっちをにらんでいるし、山田先生がわたわたしている。 山田先生からはきっと癒し成分が出ているんだと思う。 なんだかあのあたりのクラスメイト達だけ顔がゆるんでいるように見える。 ……あ、篠ノ之さんが出席簿でたたかれた。 あれはいつみても痛そうだなぁ。
「それではみなさん、お先に行かせていただきますわ」
その言葉と共にセシリアさんが急降下
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