第12話
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他のものもよく見ておけよ」
織斑先生の号令により一斉にISを展開する専用機もちの三人。 私は呆けることしかできなかった。
織斑君展開がすごく速い!! まだ専用機をもらって間もないよね!? なんであんなに早く展開できるの!?
「おい、文部。 お前も早く展開しろ」
「え、え?」
「何のために友永からわざわざISを貸し与えたと思っているんだ? この時間だけだが、今のお前は専用機もちと同じ扱いだからな。 皆もいいな! これからこの時間は、無作為に選んだ一人が友永からISを借りて専用機もちと同じように訓練してもらう。 今回は文部だったが、次はお前たちかもしれん。 訓練を怠るなよ?」
織斑先生の言葉でクラスに少なくない歓声が上がる。
「静かにしろ。 さて、文部。 時間がないぞさっさと展開しろ」
ぴしゃりと言い放たれた織斑先生の一言で静けさを取り戻すクラスメイトたち。 私にうらやましそうな視線を向けてくるが、今の私にそれに返事をする余裕はない。
呆然としていた状態から何とか我に返り、一生懸命展開を試みる。 が、もともと大した実力もない私では展開に時間がかかってしまう。
「ふむ、展開にかかった時間、2.5秒と言ったところか。 まぁ、専用機をもらってすぐでこれならましなほうだな。 これからも励め。 もしかしたら未来には日本代表になるかもしれんのだからな」
ほめられはしなかったけど、一定の評価はもらえたみたい。 すごくホッとした。
「織斑は1.5秒ほどか……。 遅いな。 もっと早く展開できるようにしろ」
「オルコットはさすがと言ったところだな。 しかし、そのドヤ顔はやめておけ。 候補生としては当たり前すぎることだ。 何も誇れるようなことじゃないぞ」
ビシビシ指摘していく織斑先生。 やっぱり凛々しくてカッコいいなぁ。
「友永は……カワイイな」ボソッ
「え?」
「んんッ! 何でもない。 展開スピードはいいが、なぜ【くまたん】なんだ? 【ブリギット】はどうした?」
そうなのである。 友永さんはなぜかあの超破壊兵器を積んだIS【ブリギット】ではなく、愛らしい【くまたん一号】をまとっている。 布仏さんの顔がこれでもかってぐらい緩んで、今にも抱きつきたいかのように両手が持ち上がってきているけど気にしないことにしよう。
「先生、【ブリギット】だと展開に時間がかかるんですよ。 試合で見てましたよね?」
「あぁ、しかしあれは、展開用のフォームだからだろう? 最初っから戦闘用のフォームで展開すればいいだろう?」
「先生、わかってないですな。 展開用のフォームがあるのならそれで展開するのが礼儀ってもんですよ」
「そんなものはどうでもいい。 ……【くまたん】だと可愛すぎて叩けないではないか
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