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大魔王からは逃げられない
第四話
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い。


(こりゃ早く登録を済ませた方がよさそうだな……)


 登録されている配下は同じ配下に敵意を抱くことはない。チャームのような一種の精神操作系の術で強制的に仲間だと思い込ませているのだろう。


 そうと決まれば手早くコマンドを呼び出し、ゴブリンとブラックドッグを配下欄に纏めて加える。


 すると、ブルブル震えていたゴブリンたちが頭を上げてキョロキョロと周りを見回した。


「どうよ、もう恐くないだろ?」


【う、うん。まだちょっと恐いけど、これなら大丈夫……】


 ホッと息を洩らすゴブリンをクロが鼻で一笑した。


【お主たちは我ら同様に魔王殿に仕える身なのだ。軟弱な精神では務まらんぞ】


「まあ、そう言うなよ。これから強くなっていけばいいんだよ、心も体も。生憎、機会は幾らでもあるからな」


 取り合えず、一先ずの顔合わせを終えたため、次は彼らの寝床を用意しなければ。


「ゴブリンたちの寝床はどうする? 部屋を作った方がいいか? それともクロたちのように広い場所だけにする?」


【それでは、わたしたちも彼らと同じような場所を】


「ん、オッケー。でもそれだと広すぎるから、ちょっと縮小したものを与えるね」


 ついてきて、と言い彼らを先導する。新しく五十匹も配下が増えたからダンジョンにも少し手を加えることにしよう。


 幻術の術式が仕掛けられている場所である分かれ道の先に、それぞれ新たな脇道を作る。


 それっぽくということで、気が赴くままに道を敷き、その先に開けた空間を作った。


「適当にやったから俺もダンジョンの全貌を把握してないけど……まあいっか。取り合えずこれでどう?」


【十分です! まさかこれほどの場所をお与え下さるなんて……】


【うむ。我らが走り回るのに支障を来さないほどの空間。満足ですぞ、魔王殿】


 クロの言葉を裏付けるように出来上がったばかりの空間を元気に走り回るワンコたち。ただっ広いだけの空間なのにこれほど喜んでもらうと反って俺の方が恐縮だ。


(ホント、ただ広いだけの空間なのにね)


 即席で作り上げたこの空間はドーム状になっており、面積は学校のグラウンド程の広さ。


 勿論、そんな広い空間をクロたちだけに譲るわけではない。今後、新たな配下の者たちも一部ここに宛がうつもりだ。一種のルームシェアのようなものだろう。


 クロたちにもその旨は伝えており了承は得ている。


 一方、ゴブリンたちの部屋は途中の脇道を通った場所にある。こちらは箱形の空間であり面積は学校の教室ほど。クロたちの部屋との違いは広さの他に扉があることだ。ブラックドッグは手で
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