第三話
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「さようなら」
双剣使いと同じように首を捻り、男の意識とともに命を絶つ。ゴキッと鈍い音を鳴らしながら、男は声も無く崩れ落ちた。
「うえー、脂っこい……!」
一応、手はレザー手袋で保護しているが、手袋超し男の肌触りが伝わり顔を顰めた。剣士の男は見た目相応に脂っこい体質の様だ。
『た、助かったのか……?』
『馬鹿っ、人間が助けてくれるわけないだろ! この後襲われるんだよ俺たち!』
『あんな化物みたいな人間を軽々と殺す人間に敵うわけないよ!』
『に、逃げるならすぐに逃げようっ』
ゴブリンたちが互いに顔を見合わせながら思い思いに言葉を吐く。傍目には「ブギッ、フギッ!」と聞こえるが、魔王になった特典の一つであるスキル『千の言語』の恩恵により、俺の耳は彼らの意味する言葉が理解出来た。
「こちらは君たちを害する気はありませんから、安心してください」
にこやかに営業スマイル全開で接すると、一番手前に居たゴブリンが仰け反った。
『うわっ! 喋った!』
『馬鹿っ、人間なんだから喋るに決まってるだろ! それより早く逃げよう!』
『無理だよ! 逃げられっこないよー!』
(なんか面白いなコイツら。漫才みたい)
まるでコントのようなやり取りを交わすゴブリンたちに思わず吹きそうになるのを堪えながら、なんとか笑顔を絶やすことなく言葉を続けた。
「いえいえ、重ねて言いますが私には君たちを害するつもりは微塵もありませんよ。その気なら君たちはとっくの昔に屍を晒しています。こう言っては失礼ですが、君たち程度の魔物を葬るなど私にとっては造作もないことですので」
それまでギャーギャーと騒いでいたゴブリンたちだが、急にピタッと動きを止めると恐る恐る俺を見上げてきた。
『もしかして……俺たちの声が聞こえてたり、する?』
「ええ。バッチリと」
ピシッと固まったゴブリンをニヤニヤと笑みを浮かべながら見下ろす。人の身では魔物の言葉を理解することは不可能。それが可能なのは種族の垣根を越えた存在である魔王だけだ。大方、俺の正体が分かったのだろう。
『……よもや、今生で魔王様をお目にするとは、夢にも思いませんでした』
奥から一回り大きいゴブリンが姿を見せた。
瞳の奥に知性の光を宿したゴブリンは俺の前に跪くと、他のゴブリンたちも慌てて頭を垂れた。
「長ですか?」
『左様です。それで、わたしたちに御用があるとのことですが……』
恐る恐るこちらを見上げる長に手っ取り早く要件を伝える。
「ここから少し進んだところにダンジョンがあるのをご存知
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