暁 〜小説投稿サイト〜
Monster Hunter ―残影の竜騎士―
15 「はじまりの足踏み」
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に残ったのは、村長、補佐、リーゼロッテ、エリザ、ナギ、カエンヌ、オディルとそれぞれのオトモアイルーのみ。受付嬢――シャンテもリーゼロッテ達に急かされて避難していた。
 議題は、如何にして村人および観光客の避難を完遂させるまで時間を稼ぐか。そもそもファンゴの群れが来る僅か十数分で避難が完全に終わるとは到底思えない。良くて半数が竜車に乗れる程度だろう。それまでなんとしても村に猪共を侵入させる訳には行かない。

「……俺が、止めよう」
「ナギさん!?」
「無茶よ! 50頭でドスも3頭くらいいるのよ!?」
「じゃあ他に誰がやる?」

 エリザが言葉につまる。ナギはあくまで穏やかな口調のまま告げた。

「一頭も通さないとは確約できない。だから、俺が前で抑えるから、リーゼとエリザには後ろでそれぞれオトモと一緒にこぼした奴らの掃討をたのみたい。オディルさんとカエンヌは怪我人だから他の村人と一緒に避難を――」
「悪いが、残らせてもらうよ。妹を残して逃げるほど落ちぶれてはいないからね。もし4人がかりでも抑えきれなかったら、私達が出張る必要もあるだろう?」
「オレも、年下に後を任せてサヨウナラなんてしたくねえからな。片手剣でも貸してもらえれば左腕だけでもまあ戦えなくはないし」
「まったく……わかりました。じゃあよろしくお願いします。無理はしないようにしてください…」
「まかせとけ!」

 オディルとカエンヌの譲らない表情にため息をつきつつ頷いた、そのときだ。不意に会議室の扉が開いたのは。現れたのはヴェローナ鍛冶店と一楽亭の面々。2人の血縁者のみならず、従業員までが押し寄せていた。

「わしらも残るぞ。孫娘達を差し置いて逃げるのはヴェローナの恥じゃ」
「僕たちものころう。愛娘が命をかけるんだ。親の僕たちが安穏と逃げるわけにはいかない」
「エリザお嬢さんとオディルお嬢さんを置いて行けるもんですか!」
「リーゼちゃんの勇姿は俺らが目に焼き付ける!」
「おじいちゃん! みんな!」  「お父さん! 皆さん!」
「私も残るよぉ!」
「カミラおばさんも!?」

 やれやれと立ち上がったナギはまったく頑固な村人達を見据えて言った。

「……まあ、あなたがたがいる方が2人も力が出るだろうし、覚悟ができているならいいですけど。死んでも文句はなしですよ」
「ああ、もちろんさ!」
「じゃあ、弓の心得がある方や余裕がある方、後方から閃光玉を投げてもらえると助かります。投げたときには一言お願いします。俺達の目が潰れたら終わりなので」
「まかせとけ!」

 何故か非戦闘員達のテンションが上がっていく中、太刀を担いで門前へと向かうナギに、心配そうにリーゼロッテが声をかけた。

「あの、ナギさん。もしみんなが貴方の負担になるなら、わたし達の方
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ