第11話
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でしまった。
そして、ちょっとずつ顔が近づいていき―――
「二人とも無事か!?」
―――ものすごい勢いで離れた。覆いかぶさった体勢から起き上がる。小猫ちゃんもすぐに起き上った。顔は真っ赤である。
(僕は何をしようとしていた!? これでは兄さんのことは言えないぞ!?)
軽く自己嫌悪に陥っていると、空中から声をかけられる。
「あら、残念でしたわ」
事前の情報で見た人だ。確か、敵の「女王」である。彼女がこちらまで飛んできた。
「ナギくん、彼女は私が相手をしますわ」
いつの間にか降りてきていた朱乃先輩がそう言って、僕の前に出ようとするが、僕はそれ止める。
「僕が行きます。朱乃先輩はまだ魔力が十分ではないでしょう。なので、兄さんたちと祐斗と合流してください」
僕と朱乃先輩は見詰め合う。先に折れたのは朱乃先輩だった。
「わかりましたわ。ここはお任せします」
「ありがとうございます」
「お気になさらず、イッセーくん、小猫ちゃん、行きますわよ」
朱乃先輩は二人を引きつれてこの場から移動する。
「逃がさな―?」
「やらせるとでも? 「女王」、ユーベルーナさん」
魔術を発動しようとしていたユーナベールに斬りかかる。彼女はそれを避けるために魔術の発動を中止した。
「ふふふ・・・・・・・。たかが、魔力の多い人間が私を倒せるとでも?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
僕は何も答えず、鞘に収まりし魔剣を構えた。
(『四次元視』!)
目を魔力で強化する。視界が二重にぶれ始めた。
「だんまりですか・・・・・・まあ、いいわ。くらいなさい!」
ユーベルーナは僕に向かって、魔術を使ってくるがぶれた視界に映る光景を見て、僕はその爆発を回避する。
「あら? 避けましたか・・・・・・。なら、これはどうです!」
―ドォン! ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!
今度は視界を埋め尽くすような爆発の連続をするようなので、爆発に紛れるようにして急降下する。
「アハハハハ! どうかしら? 私の爆発は?」
ユーベルーナは完全に僕を舐めきっているようで、わざわざ自分の視界を悪くするような攻撃をしてくれた。僕にとってはありがたい限りなので、文句はない。
しかも、彼女は僕に気づいている様子はない。ならば、これはチャンスだろう。
魔力放出で急上昇。ユーベルーナの背後に駆け上がる。そして、そのまま鞘に収まりし魔剣を振り上げる。ぶれた視界のなかで彼女に避ける様子は見られない。
「フッ!」
「なっ!
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