第10話
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状態でイッセーは祐斗と戦ってみなさい。祐斗頼むわよ」
「はい、部長」
木場が剣を構えた。対して俺は拳を構える。
「それじゃあ、初め!」
その言葉を合図に木場の姿が消えた。
俺は瞬時に腕を交差させてガードをする。
騎士の駒の特性はスピードだ。目を離すのは危険だな。
「っ!」
木場が驚いて、足を止めた。俺はその隙を見逃さずに拳を放つ。
しかし、木場は当たる寸前で再び姿を消した。すぐさま目を配らせるが真正面と左右には、木場の姿はない。ならば後ろかと思い、振り返るがそこにもいない。そしたら、残るは上だ!
上空を見ると木場は木刀を下に突き出して降ってきた。
―ゴッ!
鈍い音が聞こえる。防御が間に合わず俺の頭部に一撃決まった。痛ぇぇぇ! だけど我慢だ!
地面に降りた木場を狙って蹴りを繰り出す。しかしこれもまた、躱されてしまった。ちくしょう! 速くて当たらん! やりずらい・・・・・・。
「イッセー! 魔力の一撃を打ってみなさい!」
部長が俺に指示を出す。しかしここで魔力の一撃ですか? 当たらないと思うけど、とりあえず部長の指示に従おう。
魔力を手の平に集中させる。相変わらずの小さい米粒ほどの魔力の塊ができた。それを木場に向かって放つ。
―グオォォォォォォォォォォンッ!
米粒ほどだった魔力は俺の手を離れた瞬間に、巨大な岩ほどのものへと変貌していた。
え、ちょっ!? なにが起きた? ああ、そうか赤龍帝の籠手のおかげか・・・・・・驚かせんなって。
木場に巨大な魔力の塊が迫る。速度もそこそこだ。しかし、木場はそれを軽やかに避ける。
はぁ。やっぱり当たらないか。そんなことを思いながら避けられた魔力の塊は隣の山に飛んでいった。
―ぴちゅーん!
効果音はおかしかった気がするが、隣の山が吹き飛んでいた。あれって大丈夫なんだろうか? 山ひとつ消したってことは地図変えちゃったんじゃね?
『Reset』
籠手から音声が流れ、増幅した力が抜けて行った。魔力が尽きたようで体の内側が空っぽになった感じがする。
「そこまでよ」
部長がそこで手合わせを止める。木場も木刀をおろした。俺は腰が抜けたように座りこんだ。
「お疲れ様、二人とも感想はどうかしら?」
「正直驚きました。最初の一撃で決めるつもりだったんです。でもイッセーくんのガードは崩せませんでしたし、二撃目もダメでしたし・・・・・・・。それにこのままやっていたら僕は得物を失っていたでしょう。あとは逃げ回るだけでしたね」
木場が掲げた木刀はすでに折れかけていた。
「ありがとう、祐斗。イッ
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