第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第4話:現実は変わらず
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お前等が兄妹なのか恋人同士なのか…もしくは赤の他人なのかは知らねー……が、この家にベッドは1つきゃない! グダグダ言ってねーで、二人でベッドを使え!」
と言って、男性は毛布にくるまり暖炉の前で横になる。
俺もリューノちゃんも少し戸惑ったが、ご厚意に甘えようと思い素直にベッドへ入りました。
最初は気を使ってリューノちゃんに背中を向けて寝てましたが、段々寂しくなってきてしまい、気が付いたら彼女を抱き締め泣いてました。
「良いよシン……泣いて良いんだよ……わ、私も泣いちゃうから……シンも泣いて良いんだよ……」
彼女の優しい言葉が心に響く……
俺は自分より年下で小さいリューノちゃんの胸に顔を埋め、涙が枯れ果てるまで泣き続けました……
悲しい記憶は無くならないが、泣きはらし幾分は気が晴れた朝……
この家の男性が起きた俺達に朝食を作ってくれる。
スクランブルエッグとレタスを挟んだサンドイッチ。
「オジサン……口は悪いけども良い人ね」
リューノちゃんが赤い目でサンドイッチを頬張りながら、この家の男性の優しさに感想を述べる……
俺も同意見だ。
「あぁ!? う、うるせークソガキが! それを食ったらさっさと出て行きやがれコノヤロー! あと4.5時間南に行けば、この国の首都ブランカだ……そこに行けば人も大勢居るし、進むべき向きも分かる! 行き先が定まったら、もう二度と来るんじゃねーぞ!」
男性は顔を真っ赤にして、怒鳴り散らしながら外へ薪割りに出て行った。
本当……口は悪いけど、優しい良い人みたいだ。
あんな悲しい出来事の後は、ただ優しくされるより心に染み渡る。
俺にもリューノちゃんにも、少しだが笑顔が戻ってきたよ。
食事も終わり、せめてものお礼に汚れた食器を洗った後で、外で薪割りをする男性に別れを告げて出発する。
男性は俺達に背中を向けたまま、最後まで何も言わなかったが、俺達は彼の優しさを一生忘れないだろう。
全てが終わったら、またここに戻って来ようと思う。
シンシア達の墓参りをしたら男性に教えを請い、俺も木こりになろうかな……
でも……その前に必ずデスピサロって奴を捜し出さなければ!
シンSIDE END
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