第百二話 どっちもすげえ攻防だな!
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「しいひんかったら飯(めし)抜きやったしな」
命懸けだったと呟くタイセーを見ると、少し青褪(あおざ)めていた。
どうやら地獄のような修練をセイラにさせられていたのだろうと予想できて苦笑を漏らしてしまった。
「そんじゃ、今はチャンスってことだよね!」
シャオニは隙をついたように髪を飛ばす。
「いいっ!? いきなり反則やって!」
タイセーは急いで剣を前に構え防御する。
「あっちゃ〜そう上手くはいかないねぇ」
シャオニは「失敗失敗!」とお茶らけた感じで笑う。
「タイセー! 気ぃ抜いたらアカンやんか!」
セイラの激(げき)が飛んでくる。
「はは……ホンマやな」
シャオニはそんな彼を観察するように見るとまた微笑する。
「ん〜あの魔法はちょっと危険だからね。その前に倒させてもらうよん!」
観察した結果、『白雷(ホワイトサンダー)』を使えるほどまだ回復していないようだ。
『白雷(ホワイトサンダー)』は触れたものを即座に蒸発させるほどの高熱を持っている。
また使われたらかなり厄介になる。
だから今度は使われる前に倒さなければならない。
(はぁ……ホンマ『白雷(ホワイトサンダー)』使うとしんどいわぁ。魔力残量的に、あと一回ってとこやな)
シャオニの判断では、まだ使用できないということだったが、実は使用できるのだ。
ただ、体力も魔力も膨大に使用するので、今は使えないといっても不正解ではない。
(せやけど、また髪の雨をされると……あれだけはさしたらアカンな)
タイセーは先手を取り続けるためにシャオニに向かって動く。
シャオニはそんなタイセーの考えを理解したように微笑む。
(どうやら『髪雨(ヘアーズレイン)』を嫌ってるみたいだねぇ)
タイセーは剣を抜いてシャオニに向かって斬り下ろす。
普通なら避けるか防ぐかするのだが、不思議なことにシャオニは一切動じない。
タイセー自身もおかしく感じたが、そのまま斬りつけた。
ブシュッと音がして、体が真っ二つになったと誰もが思った。
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