第百一話 油断したなミラニ
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ャオニだった。
彼女の言葉に従い下を見てハッとなる。
そこには水浸しになっている舞台がある。
全身に衝撃が走ったかのように現状を理解する。
「跳んでっ!」
シャオニは叫ぶが、タイセーがそれを覆うように声を張り上げる。
「もう遅いっちゅうねん!」
タイセーの指先から電撃が迸(ほとばし)る。
それは地面に向かって伸びて、凄まじい速さで水を伝ってミラニを捕まえる。
「しまっ……っ!!!」
電撃は容赦なくミラニの体を流れる。
「ぐっ……があぁっ!!!」
あまりの激痛に叫びを上げてしまう。
「ああっ! ミラニが!」
クィルはミラニが電撃を受けたところを見て声を上げる。
「トーゴ様! ミラニが!」
不安顔を作り闘悟に向かって言う。
「ああ、油断したなアイツ」
闘悟も悔しそうに物を言う。
セイラを倒し、彼女との力の差を感じて、少し余裕を持ってタイセーを相手にしていたのが仇(あだ)となったようだ。
「でもやるわねあの人達」
そう声を発したのはステリアだ。
「確かにセイラって人はミラニに負けて退場になったけど、次のタイセーって人が有利に闘えるように、水を仕込んでいたのよ」
「そうみてえだな」
ステリアの判断に闘悟も肯定する。
セイラがタイセーに向かって、「手を打った」と言っていたのは、このことだったのだ。
ミラニの『斬(ざん)・一閃(いっせん)』を受ける瞬間、水が舞台全体に飛び散るように計算していたのだ。
仮に自分が受けたダメージが大きくて退場しなければならなくなっても、次のタイセーに繋げる補助ができればと思っていたのだ。
「パートナーの特性を理解してなきゃ、できねえ支援だな」
電撃が収まり、ミラニはそのまま膝をつく。
(くっ……油断していた!)
自分の不甲斐無さに悔しさを覚える。
ミラニは体を動かそうとして、フラフラしながらもその場で立ち上がる。
その様子を見てタイセーは感心する。
「さすがやなミラニちゃん。普通の奴ならその場で寝とるんやけどな」
ミラニは黙ってタイセーを見つめる。
(正直……かなり効いた。まだ全身が上手く動かせない)
タイセーに気づかれないように、細かに体の動きをチェックしていく。
(どうやら両手は完全に麻痺してるみたいだな)
拳を作れないだけでなく、感覚も完全に麻痺していた。
攻撃を受けた瞬間、剣を手放し地面に落としたが、これでは拾うことができない。
このままの状態が続けば、自分
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