第百話 おお〜、すっげえバトルだな!
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だ。
「アカン! あの構えは!?」
ミラニの姿を見て驚愕する。
「行くぞセイラ!」
するとミラニはそこから一気に加速してセイラに真っ直ぐ突っ込む。
まるで空を蹴ったかのようにいきなり加速した彼女を見て誰もが驚きを隠せない。
「あれは『縮地(しゅくち)』の一種ですね」
フレンシアが解説してくれる。
その声を誰もが聞き耳を立てる。
「『縮地』というと、一瞬で移動する移動技の一つですね」
モアがそれに付け足す。
「ええ、本来は地面の上で行うのですが、ミラニさんはそれを上空で行っています。あれは『縮地』の上級技である『天動縮地(てんどうしゅくち)』です」
「え? 『天動縮地』……ですか? そういえば私も聞いたことはありますが、この場で見られるとは思いませんでした」
「それはそうでしょう。あの技は元々『ユーネピア』にしか伝わらない技ですから」
「そ、それは天空の大陸の……ですか?」
「そうです。空中で足元に魔力を集めて小さな魔力爆発を起こし、その勢いで突進力を高めるんです」
「その技が『ユーネピア』に伝わっているということですね」
この『ネオアス』という世界には三つの大陸がある。
グレイハーツがある大陸は豊穣(ほうじょう)の大陸『エクスド』だ。
そして、『ユーネピア』というのは天空の大陸と呼ばれている。
その理由は、名前の通り天空に浮かんでいるからだ。
「なるほどなるほど、いや〜ミラニ選手には謎がありますねぇ〜。さすがは魔法騎士団団長というわけですね!」
ミラニは超加速したスピードでセイラに向かっている。
「くっ! 『水陣壁(アクアウォール)』っ!!!」
魔力をできるだけ注ぎ込んで防御に集中する。
セイラの上空にはかなりの水量が圧縮されて壁を形成していく。
ミラニは柄を握っている手に力を込める。
そして水の壁に向かって剣を抜く。
凄まじい突進力が付加され、剣の切れ味がさらに増す。
ミラニの剣圧で、水の壁は綺麗に裂かれていく。
「なっ!?」
セイラは目を見開く。
咄嗟(とっさ)に彼女はその場から全力で横に跳ぶ。
ミラニは一直線に舞台に衝突した。
その激しい衝撃は爆風を生み、セイラが生み出した水は周囲に飛び散り、彼女自身も衝突事故に遭ったかのように吹き飛んで地面に転がる。
「セイラッ!!!」
タイセーはセイラの安否(あんぴ)が気になり叫ぶ。
すると、目の前から何かが、かなりの勢いで転がってくる。
それは間違いなく自分が愛する女性だった。
そう悟った瞬間、タイセーは身構え吹き飛んでくるセイラを受け止める。
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