第百話 おお〜、すっげえバトルだな!
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ミラニは自分に軽く舌打ちをする。
彼女の特技は水の属性魔法だった。
それをすっかり失念(しつねん)していた。
「ならこれでどうだ! 『風の弾丸(ウィンドブレッド)』っ!」
今度は風の魔法で攻撃をする。
水を吹き飛ばせると思っての攻撃だ。
あわよくばその先にいるセイラにもダメージを与えるつもりだった。
「無理やで」
そんなミラニの思惑をよそに、彼女はまたもニヤッとする。
ミラニが放った『風の弾丸(ウィンドブレッド)』は、真っ直ぐセイラに向かって来る。
すると、セイラの周りを覆っていた水が、彼女の持つナイフに集約されていく。
水は形を変えて刃を形成していく。
ナイフではなく、外見は間違いなく刀剣そのものだ。
そしてその双刃で飛んでくる『風の弾丸(ウィンドブレッド)』を切り裂いた。
「……『水双刃(すいそうじん)』」
セイラは小さく呟くように言う。
「ひゅ〜やるねぇ彼女」
シャオニはそれを見て素直に感嘆した。
「ああ、さすがはセイラだ」
「いいぞ〜セイちゃ〜ん! カッコいい!」
またもセイラに睨まれてシュンとなる。
だがタイセーではないが、水の刃を宿す双刃を持って佇(たたず)む彼女の姿は絵になるような美しさを纏(まと)っていた。
あの姿で踊るように闘う姿から『妖精』と呼ばれていたことを思い出した。
「これは長引きそうだな」
ミラニは明らかに強くなった友人を見て、嬉しく思う反面、勝つことにかなりの難度を感じて苦笑する。
ミラニは本腰を入れるように魔力を解放していく。
それを感じたセイラは目を見張る。
「さすが団長やな。あの時よりも圧倒的やで、その魔力」
ミラニの持つ魔力量の多さに、かなりの成長を感じて、ミラニと同じような思いを馳(は)せる。
ミラニは先手を取ろうと、先に動きセイラから距離を取ろうと離れる。
だが先手を取ろうとしたのはセイラも同様だったようで、ミラニの行動を許さず彼女も動いた。
両者が同時に動いたが、セイラの方が速かったようで、舞台の中心で激突する。
セイラが水で造った剣でミラニを斬りつける。
ミラニはそれを紙一重で避ける。
だがまたも次々と連撃が来る。
それをミラニは何とか避わす。
それを見た闘悟は首を傾げていた。
「ん〜」
「どうされたのですかトーゴ様?」
闘悟が唸(うな)っていたのでクィルは不思議に思い尋ねる。
「ん? ああ、どうしてミラニは避けてばっかなのかなってさ」
「……そう言えば、先程は剣で防いでいましたです」
クィルも闘悟の言うことに疑問を感じ
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