TURN70 ドクツ軍の崩壊その六
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「何時でもいけます」
「じゃあ今からだな」
「はい、ミサイルの一斉射撃ですね」
「それをはじめるからな」
ミサイルも照準を合わせない。そのまま一斉射撃だった。
だが圧倒的な数の、雲霞の如きミサイルがビームで傷付いたドクツ軍を撃った、それはまさにパイプオルガンの地獄の旋律だった。
その攻撃も受けドクツ軍はさらに数を減らした、残っている艦艇も殆どが深刻なダメージを受けてしまっている。
その状況を見てマンシュタインは言った。
「全軍撤退」
「しかし閣下、ここで退けば」
「敵がドクツ本土に」
「しかしこれ以上の戦闘は無理だ」
マンシュタインもそれはわかっていた、だが。
この状況で戦うことは不可能だ、それで決断を下したのだ。
「撤退するしかない」
「そしてドクツ本土で、ですか」
「戦うしかありませんか」
「その通りだ。では後詰だが」
マンシュタインはその重厚な口をまた開いた。
「私が務める」
「あんた死ぬ気やろ」
その彼にベルギーがすぐにこう言った。
「それって」
「それは」
「声に出てるぜ」
重厚なバスの中に確かにそれは微かに出ていた。
「あんたは生粋の軍人や。嘘は吐けん」
「お気付きですか」
「わかるで。うちかて伊達に商売で生きてきた訳やないからな」
オランダと共にそれで生きてきたのが彼女だ。
「そやからな。あんたのこともわかるで」
「このまま誰かが後詰を務めなければ」
「全軍ここで終わりやな」
「ドクツ本土でも戦えます」
そして戦える限りはだというのだ。
「ですから宜しいでしょうか」
「あんたが後詰になって連中の足止めして」
「その間にプロイセンまでお逃げ下さい」
「待ってるさかいな」
これがベルギーのマンシュタインの決意への言葉だった。
「プロイセンにおるで」
「はい、それでは」
「健闘を祈る」
ドイツも今のマンシュタインにはこう言うしかなかった。
「それではだ」
「またお会いしましょう」
こう話してだった。ドクツ軍jの主力はプロイセンまで撤退した。
そしてマンシュタインは彼等の最後尾でソビエト軍を待ち受ける。その旗艦アドルフのモニターに彼が出て来た。
ジューコフだ。彼はソビエトの敬礼をしてからマンシュタインに述べる、マンシュタインもドクツの敬礼で返す。
「マンシュタイン元帥、久しいな」
「うむ、元気そうで何よりだ」
まずは再会をお互いに祝う言葉からだった。
「軍事交遊の時は世話になったな」
「こちらこそな」
「あの時のアイスバインは美味だった」
ジューコフはこのドクツ料理の名前を出した。
「それにビールも」
「ソビエトでもビールを飲むことは知らなかった」
「我が国の者は酒派何でもいける」
無論ウォッカが
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