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ヘタリア大帝国
TURN70 ドクツ軍の崩壊その四
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「右に伏兵です」
「はい、確認しました」
 モンゴメリーはまたイギリス妹に答えた。
「十個艦隊ですね」
「これはイタリン軍ですね」
 伏兵にしては多いが彼等はこう考えた。それはイタリン軍の弱さ故にだ。
「十五個艦隊もいるとなると」
「結構な戦力です。ですから」
「ここは一旦様子見ですね」
「はい、そうしましょう」
 モンゴメリーはイギリス妹に話した。
「迂闊に攻めては危険です」
「まさかイタリン軍まで攻撃に出るとは思いませんでした」
「その通りですね。それでは」
 こうして慎重策に出ることにした、そしてだった。
 彼等は暫く様子見で動きを止めた。その間に。
 ロンメルは密かに三個艦隊をまた持って来た。それはというと。
「ああ、これもか」
「ダミーなんだで」
「ただのハリボテだ」
 ロンメルは今種明かしをした。
「戦力としては何でもない」
「本当にただあるだけの」
「張子の虎だね」
「しかし軍艦には見える」
 このことが重要だった。
「そしてこのハリボテを見せて戦力を思わせているうちに」
「俺達はこの北アフリカから撤退する」
「そういうことだね」
「それでいいな」
「よし、じゃあ今のうちに」
「撤退だね」
 プロイセン兄妹も応えてだった。
 ドクツ軍は密かに撤退した。モンゴメリー達が気付いた時には彼等はもう無事ナポリまで撤退してイタリア達とパスタやピザ、ワインを楽しんでいた。
 東部戦線に展開していたドクツ軍は今はシャイアンに集結していた。そこでようやく満足のいく修理や補給を受けられた。
 マンシュタインは戦える状況に戻ったドクツ郡を見回して言った。
「総統閣下のお陰ですな」
「そうだな。しかしだ」
「過労だったとは」
 ドイツに応える。このことは密かに上層部に伝えられていた。
「それで修理や補給が滞っていたとは」
「大事な時にな」
「全くです。しかし言っても仕方のないことです」
 マンシュタインはドイツに謹厳な声で述べた。
「大事なのは今どうするかです」
「その通りだ。だが」
「はい、我が軍は今十六個艦隊です」
「親衛隊が全滅したからか」
「それに対してソビエト軍は百個艦隊以上」
 彼等の数はさらに増えていた。
「これまでは電撃戦により相手の数が多くとも勝利を収めてきましたが」
「今は電撃戦は使えない」
「しかも敵の数が違いすぎます」 
 六倍近い、それではだった。
「勝てるものではありません」
「ではどうする」
「しかし退く訳にはいきません」
 シャイアンを奪われるとドクツ本土だ、それならばだった。
「ここで戦うしかありません」
「そうだな。では戦うか」
「行きます」
 マンシュタインは言った。こうしてだった。
 ドクツ軍十六個艦隊は
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