第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第3話:悲しい現実
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(山奥の村)
シンSIDE
突然村に魔物の大軍が押し寄せてきた!
俺は驚き何も出来ずに固まっていると、父さんが近付いてきて、俺とリューノちゃんを村の地下室へと連れて行く。
今まで行き止まりだと思っていた地下室の壁を押すと、更に奥へ部屋が続いている。
そこに俺とリューノちゃんを入れると……
「良く聞きなさいシン……私達はお前の本当の両親ではないのだ」
「え、何を言ってるの父さん!?」
「詳しい事を話している時間は無い……ただ知っていてほしい事は、お前が伝説の勇者である事だ。何れ現れる魔界の帝王を倒す天空の勇者である事だ!」
「お、俺が……伝説の勇者!?」
「そうだ……だから我々村の者は、お前を外界から隔離し秘匿して、立派な勇者になる様育ててきたのだ」
「で、でも……俺は父さんと母さんの子供だよ! 二人を尊敬し愛しているよ!」
俺は父さんに抱き付き泣きながら現実を否定する。
「ありがとうシン。私もお前を本当の息子と思って育ててきた……」
「ちょっと! そんな事より魔物が迫って来てるんでしょ!? みんなで力を合わせて、奴等を追い払いましょうよ! 私だって戦えるのよ……この鞭とヒャドの魔法を使って……」
その通りだ……リューノちゃんの言う通りだ!
俺が伝説の勇者であるのなら、襲ってきた魔物など蹴散らしてやれば良いのだ!
父さんから離れると、腰に下げた銅の剣を確認し、臨戦態勢を取る。
「お、おい……お前達は「シン、リューノちゃん!? まだこんな所に居たのね?」
父さんが何かを言おうとしてたのだが、現れたシンシアが遮る様に話しかけてきた。
何時もの優しい表情はなく、厳しく緊張している表情で……
「二人とも聞いて……敵は直ぐそこまで攻めてきているわ! 此処が最後の砦になるわ……魔物の中に、毒を撒き散らす奴が居たから、二人ともこの薬を飲んでおいて」
そう言うと小瓶に入った薬を俺とリューノちゃんに手渡すシンシア。
俺もリューノちゃんも言われるがまま薬を飲み干す。
すると突然身体が痺れ声も出なくなってきた!?
持っていた小瓶を落とし、その場に蹲る……
そして父さんとシンシアを見上げ、何かを言おうとする……が、声が出てこない。
「ごめんなさいシン……ごめんなさいリューノちゃん……」
「済まんなシン。お前はまだ成長途中の勇者なのだ……いま敵の前に姿を現せば、確実に殺されてしまうだろう……それだけは避けねばならない。お前は人類の希望なのだから!」
「貴方達が飲んだのはエルフ属に伝わるシビレ薬よ。目が覚めた時には薬の効果は無くなっているから、抵抗せずに受け入れなさい……抵抗すれば苦しいだけだから」
そこまで言って俺の身体を床に寝かし付けると「モシャス」と魔法を唱え、俺と同じ姿
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