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とある六位の火竜<サラマンダー>
勝負
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「さて、どうするかな……」

レベル3から4の能力者相手ではあまり手を抜きすぎる訳にもいかない。蓮がどうするか考えている間に今度は松野が先に動く。

「オラッ!!」
「っと……!!」

松野が投げつける水球を避ける蓮だが松野は間をあけずに水球を投げ続ける。そして蓮をかすめた水球が後ろの工場の壁に当り大きな窪みをつくるのを見て、蓮の頬を冷や汗がつたう。

「おい!あれ当たったら打撲どころじゃないぞ!?骨折もんじゃねえか!!加減しろよ!!」
「レベル5相手に加減してる余裕なんかないよ!」
「うわっ!!あぶなっ……!!」

思わず文句を言う蓮は、言葉と共に放たれた水球を辛うじて避ける。そして、このまま避け続けていればいずれ直撃を喰らってしまうと判断した蓮はブースターを使い、一気に距離をつめる。

「くっ……!!」

まさか一直線に突っ込んでくるとは考えていなかった松野は反応が遅れるがなんとか水を放って蓮を止めようとするが、蓮はその水をジャンプで避ける。そして、そのまま松野の頭上を越える。

「なっ……!?」
「もらった!!」

そして松野の背後に着地。松野が振り向く前に蓮は炎を拳に纏わせて殴りつける。

「ガハッ……!!」

松野は工場の壁までぶっ飛び倒れ込む。しかし、少しふらつきながらもすぐ立ち上がる。

「うわ……あれくらって立つか……。昨日の強盗相手の時もだけど腕力ないなぁ、俺……。」
「ゴホッゴホッ……!!充分だって。壁に叩きつけられるときに水をクッションにしなきゃやられてたし。」

ため息をつく蓮に松野は顔をしかめながら言う。立ったとはいえ、ダメージは大きいようだ。

「諦める?」
「んな訳ないでしょっと!!」
「うわっ!!」

期待をこめた蓮の問いへの返事は放たれた水球。

「どんどんいくよ!!」
「だから加減しろっての!!」

今度は松野は水球を放つのではなく地面に手をつける。

(なにをしてくる…?)

警戒しつつもチャンスと見て突っ込む蓮。その足元がいきなり揺れだす。「これは……つっ!?」

咄嗟に横に飛ぶ蓮。その足元から水がかなりの勢いで噴き出した。

「危ねぇ……ってうわっ!?」
「さっきのお返しだ!!」

蓮の避ける方向を予測していたのだろう。避けたところで待ち構えていた松野が至近距離から水球を放ってきた。

「っと……!!危ねえな!!当たったら大怪我じゃねえか!!」
「これを避けるのかよ……」

ギリギリで炎のブースターを使い無理矢理身体をひねって避けた後に距離をとる蓮を松野は感心したように見る。

「さすがレベル5って感じか……」
「だから諦めろって。」
「嫌だって。いくぞ!」
「はぁ……」

蓮の2度目の問
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