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めだかボックス 〜From despair to hope 〜
第3箱 「この世に意味は…どうなんだろう?…けど、僕は救われたんだ。」
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た善吉が叫ぶ。
「…え?」
さっきまでと違う声量に驚いて善吉の方を向く。
「確かに……りゅうくんはつらい事があったんだよ……ね? でも……それでも意味ないなんてことないよっ!」
善吉はきっぱりそう言い切る。
「なら……なんで僕はこんなに悲しい気持ちになるのかな…… 苦しい気持ちに………。」
劉一は顔を俯いた。
意味があって、こんな気持ちになるならそんな意味はいらないって思えるほどだったんだ……。
だけど 善吉は真剣な顔をしてこう答えた。
「僕はりゅうくんに≪会えて≫とても嬉しかったよ!だって……お友達が増えたんだから!意味がないなんて事は無いよ! りゅうくんが……辛いのは僕には分からないけど。 それは、君はこれからきっと幸せになる為に!今があるんだと思うよ!そうだよ!きっと!きっと!今のことが吹き飛んじゃうような幸せがりゅうくんをきっと待ってるからだよっ!」
善吉の言葉。
そして、その屈託のない笑顔。
それを目の当たりにした劉一は目を見開く。
……善吉の明るい無邪気な笑顔は。
劉一の降り積もった悲しみの心を溶かしてくれるようだ。
そっと……優しく包み込むように。
「ぜんきち……くん。ありがとう………。」
劉一は涙でぼやけてしまった瞳で、善吉を見た。
「僕は…君に出会えたことが…一番幸せだよ…ほんとだ…よ…。 ありがとう…」
心からそう思えたのだ。
そして再び善吉が頭を撫でてくれた。
不思議とさっきよりも心が落ち着くような。
そんな感じがしていた。
その後も劉一はたくさん泣いた……。
泣いて、泣いて、泣いて……。
それ以上に慰めてもらった。
涙……もうかれちゃったと思っていたのに…
そして、慰めると同時に……たくさん撫でてもらった…。
人と人の温かさを再び改めて教えてもらった…。
初めての友達に…………
劉一の涙も止まり……。
さらに暫くしての事。
「さー!仕事終わったわ。善吉くーん!りゅーくーん!帰るよー!」
善吉と遊んでいると。
瞳さんが帰ってきた。
「お疲れ様です!」「おかえりー!!」
善吉と劉一がそれぞれ言う。
もう劉一の瞳からは涙はなく、すっかりと元気になっていたようだ。
「うん!ただいまぁー!じゃあ 帰ろっか。」
瞳先生はそう言うと、そのまま2人と手を繋ぐ。
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