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Report6-4 ヘルメス/アクトレス
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んな気持ち?」
「どんな、って」
ユルゲンスは真正直に会場のざわめきを見渡した。笑顔、嬌声、歓声。ルドガーやジュードですら、忙殺されているのに楽しそうだ。
「……そう、か。こう、なるのか。何だかむずがゆい気分だ。とにかく商いをとばかりで、それが最終的にどうなるのかなんて考えたことがなかったな」
(あ、笑った。コイツのこういう顔、最後に見たの、いつだっけ。しかめっ面か困った顔しか思い出せねえや)
「あのアーサーって商人もおたくの回し者か?」
「そう。ルドガーの昔の同級生。商会はもちろん架空名義デス」
「小切手の代金は」
「ここにいるメンバー+ミラで地道に魔物退治して稼ぎました」
「ビラとか道具類はっ」
「全部クエストに依頼出して集めました。おまけのレシピはジュード提供」
「天下のマクスバードでの行商権は!」
「ローエンが一晩でやってくれました」
この裏切り者どもーーーーーーー!!!! アルヴィンはついに膝を屈した。まさか人生でこの呼称を自分以外に使う日が来るとは夢にも思わなかった。
「だから言ったでしょ。ひとりエイプリルフール」
「それはもういい。要するに全員グルで俺とユルゲンスの仲を取り持とうとしてるんだな」
こっ、くん。ユティはタメを入れて肯いた。
「そういうの、世間じゃよけいなお世話ってゆーの知ってるか」
するとユティはくちびるを噛みしめ、きつく眉を寄せた。まるで今にも泣き出しそうに。
「おい、アルヴィン。そこまで言わなくてもいいだろう。彼女は俺たちを思ってやってくれてるんだぞ」
「じゃあお前、ここで俺ともっかいコンビ組もうって言われてできるか?」
「それは……」
「……残念」
ユティは一瞬でいつもの能面に戻った。
切り替えの速さにユルゲンスは明らかに動転している。裏表がないユルゲンスからすれば、彼女の「顔」遣いは詐術に等しかろう。
「その1。ユルゲンスへのささやかな反論。ビジネスジャックはこれくらい水面下で準備できなきゃ、エレンピオスじゃ生き残れない、よ」
ユルゲンスは顔をカッと赤くした。
(ばっ…! コイツあの場にいたくせに、堂々とユルゲンスの地雷踏みやがった!)
「その2。アルフレドへのお節介な忠告。ワタシはアルフレドもユルゲンスもスキ。アナタたちに悪いことがあったら、絶対にアナタたちのほうに味方、する。二人がそうなると、ワタシは、安心」
アルヴィンは、はたとユルゲンスを見上げた。
「あなたの味方」。ラカノン商会との応酬で、アルヴィンは果たしてユルゲンスの――パートナーの味方だったか。知らずエレンピオス人として、同じエレンピオス人の肩を持つばかりではなかったか。
「その3。ユティ個人からクエスチョン」
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