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Report6-2 ヘルメス/メインアクター
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ある日、一通の手紙がアルヴィンの商会事務所に届いた。
差出人は聞き覚えのない青果商。トリグラフ港でフルーツの直販を計画していて、そこでリーゼ・マクシア産のパレンジとナップルも販売したい、しかしリーゼ・マクシアの販売ルートがないので、アルヴィンたちにリーゼ・マクシア産のフルーツを卸してほしい、との内容だった。
(今まさにコンビ解散保留中って時に、なんつータイミングの悪い依頼だよ。ちょい前ならチャンス! って二人して大喜びだったろーに。ユルゲンス一人に丸投げしちまうか? いやでも、あいつじゃモノの確保はできても、エレンピオスの市場で売るのは無理だ。あいつ、根がお人好しだからぼったくられる。絶対ぼったくられる。もしユルゲンスにも同じ依頼が来てんなら、正式依頼初めてだからすでに食いついてそうだし――)
散々悩んでいるのを見抜かれてか、後日、バランにアドバイスという名の脅しをかけられた。主にユルゲンスが被るデメリットを中心に。
口達者な従兄はアルヴィンの弱点を知り尽くしているだけあって、アルヴィンはさっくり降参させられた。
そしていざ、適当なカフェテラスでユルゲンスと久しぶりに顔を合わせた結果が、
「………………………」
「………………………」
これである。
(商談もヘッタクレもねーなーコンチクショー!)
内心は男泣きで相方の隣の席に座るアルフレド・ヴィント・スヴェント(27歳独身)。
救いはユルゲンスのほうも途方に暮れていることか。とにかく互いが気まずい。ひたすら気まずい。
「あの〜。ユルゲンス=アルフレド商会の方でしょうか」
アルヴィンもユルゲンスも肩を跳ねさせてから仰ぎ見た。
「そうだ…です、けど、おたくが?」
「はい。キャメロット商会のアーサーと申します。本日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
アルヴィンたちはイスを立ってアーサーに礼をした。ラカノン商会の件が尾を引いているユルゲンスは、アーサーに対して警戒心を隠していない。
(だーかーらーっ。そういう顔と考えが一致しちゃうとこが付け込まれる元だっての)
――彼らの警戒をよそに、商談はつつがなく進んだ。
全てつつがなく、と言えば語弊があるが。代金で駆け引きはあった。ユルゲンスが、おたくは1年前逃亡中のミラか、とツッコみたくなるほど真正直に要求をアーサーに言うので、フォローするアルヴィンの胆は冷えっぱなしだった。
「ではこれで商談成立ということで」
アーサーがにこやかに締め括る頃には、アルヴィンもユルゲンスもぐでっとテーブルに伏していた。商談がこれほど疲れる仕事とはついぞ知らなかった。
「こちらが代金です。ご確認ください」
アー
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