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物語はここからだ!!
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ーリーで運命であっても、そうなるべき素養と心の強さが彼女の中にはあるのだ。

「わかった」

 秋晴はルイズの手を取る。

「え、ちょ!!」

 そのまま引き寄せて耳元に口を寄せる。
 彼女を支えるのは主人公の役目だ。

「もう少しだけ頑張ってみてくれ、もうすぐ、君の努力も何もかもが報われる時が来るから」
「え?」

 だから、この程度の干渉で留めておく。
 秋晴の言葉を聞いた直後、ルイズの世界は暗転した。

――――――――――――――――――――――――

「ルイズ」

…え?

「ルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエール!!」
「は、はい!!」

 自分が呼ばれていると自覚した瞬間、ルイズは目覚めるように現状を知覚した。
 見覚えのある草原、周りにはクラスメート達のバカにしたような顔、そばにいるのは担任のコルベール…いつの間にか、ロッカーに預けていたはずのマントをはおり、手には杖を持っている。
 記憶に在る通り、春の使い魔召喚の儀だ。

「おい、ゼロのルイズ!まだできないのか?」
「3回目だ。お前の負けだよ。」


 聞き覚えのあるヤジも記憶の中そのままだった。
 何より、目の前には自分の爆発呪文の作ったクレーターがある。
 あの男、よりにもよって召喚の偽の真っ最中に戻したようだ。

「え、なんで…」

 口の中で言葉をかみつぶす。
 どんどんと、向うの世界での記憶が薄れていくのを感じる。
 この瞬間も、手で受け止めた水が指の間を流れおちるように記憶の流出は止まらない。

「あ、あいつ…」

 たしか、秋晴は記憶を操作すると言っていた。
 これがそうかと理解する。
 コルベールや他の生徒達は何時も通りに見えるので、すでに記憶は改ざんされているのだろう。
 他ならぬ秋晴がそう言っていたような気がする。

「わ、我が名は…あ…」
「ん?ミスヴァリエール?どうかしたのかね?」
「い、いえ…」

 慌てて杖を掲げ、使い魔召喚の呪文を唱えようとした所で手と口が止まった。
 ルイズが動きを止めたのは、最初の使い魔召喚の事が頭をよぎったからだ。
 貴族は要らないと言い、いきなり自分を…自分達を向うの世界に放り込んだ男は秋晴が処理したと言った。
 だが、また似たような奴が召喚される可能性もあるのではないだろうか?

「ミス・ヴァリエール?調子が悪いのなら後日と言う事も出来なくはないが…」
「…いえ、コルベール先生、やります」

 逃げる者を貴族とは呼ばない。
 ついさっき、自分は秋晴にそう言った。
 ならば、ルイズが貴族であり続けるため、ここから逃げるわけにはいかない。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリ
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