物語はここからだ!!
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が無い、貴族がいない…貴族のくせに魔法を使えないとバカにされる事もなければ上に立つ者としての責任も求められない。
設定とは言え…考えればむごい話だ。
読者も作者も、フィクションの登場人物であるルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエールの描写されない人生を本気で思う事はないだろう。
彼女がどれだけ悩み、苦しんだかという、一番人間臭い部分…ある意味で、彼女はストーリーと言う概念の犠牲者なのかもしれない。
「私が…この世界に魅かれている?」
「出来ればこの世界にずっといたいと思っているんじゃないのか?」
これは、ルイズにとって悪魔のささやきに聞こえるかもしれない。
そして秋晴はそれを許すわけにはいかない。
もし、ルイズがYesと答えるなら、道草はここで終わりだ。
問答無用で記憶を操作してハルケギニアに戻す。
場所が場所だけに、あまり抵抗してくれなければ良いなと…そんな事を思っていたら、いきなり左の頬が鳴った。
「…ルイズ?」
見れば、泣きながら右手を振り抜いた彼女がいる。
考えるまでもなく、自分は頬を張られたのだろう。
周りの店員や他の客が何事かと注目しているのを感じるが、秋晴はその全てを無視した。
否、無視するしかなかった。
秋晴は目の前にいるルイズに目を奪われてしまっていたからだ。
「バカにしないで!!今更何もかも捨てられるくらいなら、こんなに苦しい思いなんてしていない!!」
うっかりしていたというべきか…ルイズは魔法をまともに使えないだけで、頭が悪いわけでは無かったのだ。
こちらの世界に自分の意志でとどまるという事は、魔法や貴族の身分を捨てると言うだけではない。
ハルキゲニアにいる家族とのつながりまで絶つという事だ。
死や京佐貫なっていた前半はともかく、物語の中盤で自分が才人を家族や友達と引き離した事に罪悪感を感じた彼女は、才人を元の世界に返し、いなくなる事に心が耐えられないと感じたルイズは彼との記憶を消そうとしたではないか。
ルイズにとって、魔法を使えない事は世界を捨てる理由にはならない。
「さあ、そろそろ戻るわよ!!」
「戻るって、ハルケギニアに?」
「他に何所があるのよ?」
「いいのか?また馬鹿にされるかもしれない」
「魔法を使える者を貴族と呼ぶんじゃないわ、逃げない者を貴族と言うのよ!!」
なるほどと、秋晴は納得した。
平賀才人が彼女に魅かれる意味が良く分かった。
確かに彼女には魅力がある。
同時に不器用で真っすぐで放っておけない。
文字やアニメでは伝わってこない迫力がここには在った。
勘違いしてはいけない。
彼女はこれからパートナーとともに様々な困難に出会い、それを乗り越えていく。
たとえそれがスト
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