物語はここからだ!!
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蒸し暑かった。
何故そんなに熱くなれるのかと言うやり取りの後、必要な書類に必要事項を記入した少年はターンを決めて歩き出す。
やる事を終え、新たなる戦場…おそらくはバイトだろう…に向かう少年は、偶然にも出口に向かう途中にいた秋晴とすれ違うが、少年は秋晴に目もくれない。
その眼は確かに前を向いていた。
その瞬間…秋晴は確かに少年の呟きを聞いた。
出会い系サイトと言う言葉を…………………オリ主の介入で時間軸にずれが出来たか?
「おまたせ〜この世界って色々すごい物があるようね、次は何処に行くの…って、どうかしたの?何かとっても疲れた顔をしているわよ」
「いや、別に…気にしなくていい」
秋晴自身にもよく分からない。
あえて言うなら精神疲労か?
「そう?じゃあ今度はあの鉄の馬車に乗りたいわ」
「あ〜タクシーでいいかな?」
「よくわかんないけど、ちゃんとエスコートしなさいよね」
「はいはい…仰せのままに〜」
「…何かに素直になったわね?」
何所か投げ出したくなっているのかもしれない。
自棄になっているというのだろうと思いつつ、秋晴は少年が出て行った方とは反対にある出口にルイズを促す。
この世界の事をよく知らないルイズは、素直にその誘導に従った。
今の彼女にその理由など知りはしないし、気にもしていないが、何と言うか…ここであの少年とルイズが出会っていたら色々まずいだろう。
記憶操作の相手が一人増える。
――――――――――――――――――
ルイズはその後も珍しい物を見かける度に、質問を秋晴にぶつけて来た。
彼女にとってはこの世界の全てが珍しく、興味の対象であるため、秋晴には休む暇さえない。
タクシーの窓にへばりついて外を見る事から始まり、歩道を歩けば赤信号で飛び出そうとする。
たち並ぶ店には片っ端から入りたがり、書店に立ち寄れば並んでいた≪ゼロの使い魔≫を手に取っていた時には世界崩壊か!!と戦慄が走った。
幸い…ルイズはこの世界の文字を読めなかったので事なきを得たし、最終的には記憶を消すのだから問題はないが…その間の秋晴の心労の度合いは推して知るべしである。
「……」
最終的に…秋晴はくたばっていた。
全国チェーンのハンバーガー店の一角で、机に突っ伏してうめき声も漏らさない。
「ねえちょっと…」
「……はい?」
「反応遅いわよ。ナイフとフォークはどこかしら?」
「…」
ハンバーガーのセットを前にして、ルイズはそんなお約束をのたまった。
流石はお貴族サマ…手掴みで食べるという発想がないようだ。
文化圏からして違うのだから、それをバカにしたり無知を笑ったりはしない。
秋晴は論より証拠と目の前にある自分の分のハン
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