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は絶好調だ。
 これがもし科学好きな変人であるところのコルベールであったなら、この比ではなかっただろうと思うので、あるいはましな方なのかもしれない…などと思って見る。

「これが魔法を使っていないなんて…信じられないわ…」
「ああ、この世界には行き過ぎた科学は魔法と区別がつかないという格言があるくらいだ」

 誰が言ったかしれないが、真坂言った本人も本当の魔法使い似断言されるとは思っていなかったはずだ。
 そう考えると色々とんでもないなと、しみじみ思う秋晴の見ている前でルイズは今度は薄型テレビに興味が映ったようだ。
 まずは正面の映像に目を奪われ、ついでどうしてこんな小さい箱に人が入っているのかと裏側を覗き込むと言うタイムスリップや異世界訪問系のお約束な事をしてくれている。

「え〜マジっすか〜?」
「ん?」

 恥も外聞もなく驚き続けているルイズと…なるだけ他人に見られ様と視線を逸らしていた秋晴に声が届いた。
 残念そうと言うか信じられないと言った風な声に振り返れば…高校生くらいの男の子がいる。
 日本では特に珍しくない黒髪をツンツン立て、パーカーとジーンズという姿の少年は、何やら店員と向かい合って項垂れている。
 両者の間に在るテーブルにはノートパソコンが乗っていた。

「申し訳ありません。修理に必要なパーツが不足していまして…こちらは秋葉原の本店の方に持ち込みとなります」
「…しゅ、修理費は…」
「そうですね…この位にはなるかと…」

 店員が修理の見積書だろうプリントを少年に差し出した瞬間…少年が白くなった。
 ムンクの様な恰好で固まってしまった。
 ここからではプリントに書かれた金額は見えないが、彼の様子を見るに…安くはないのだろう。 
 こういった電化製品の修理となると、収入が小遣いかバイトしかない学生にとっては破格のはずだ。
 店員の方も、少年の落ち込み様に、ひきつった笑みを浮かべている。
 
「その…修理はどうされますか?」

 それでも話を薦めようとする店員さんに商売人の根性を見た。
 気の毒ではあるがこれも仕事なのよねと言う事なのだろう。
 慈善事業で修理は出来まい。

「…修理をお願いします」
「い、いいのですか?」

 店員がひるむほどの金額とはいかほどだろうか?
 二人のやり取り…と言うか、秋晴は先ほどから少年が別の意味で気になってしょうがない。

「お願いします!!代金はバイトしてでも支払いますんで!!」
「わ、解りました!!」

 決意ゆえか…やたらと力のこもった少年の言葉に、店員も熱く答える。
 売り場の一角だけが異様に気温が高かった。

「では、こちらはお預かりしてお送りしておきますので!!」
「よろしくお願いしマッスル!!」


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