第ニ話「僕はトラヴィス・ファン・オーヴァン」
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名詞がつき認識されているのは意外に思った。
アルカディアには人族と亜種族、魔族、精霊族、悪魔族、天使族、幻種族が存在している。
我がオーヴァン家は人族なのだが亜種族の血も混ざっており、寿命や魔力はそこらの人間より強い。亜種族でも長命のエルフには遠く及ばないけれど、平均寿命は四百年とのことだ。
珍しいけれどそういった人間はいるにはいるらしい。そのため村八分のような扱いは受けていない。
人族は魔力を持つ者と持たないものがおり、前者は全体の三割くらいしかいない。そのため魔術師の職は重宝されるらしい。
これは生まれつき魔力を持つらしく、我が家では母様とレオン兄様、そして俺が該当する。魔力の有無は出生後、神殿で魔力探知機による調査が行われそこで知ることとなる。
一般の魔力平均値を十とすると、母様は千、レオン兄様は八百だ。
その昔、母様は王宮魔術師筆頭としてその敏腕を振るったらしい。それならばその数値も納得だ。その息子であるレオン兄様も当然高い。これらは亜種としての血が色濃く出ていると思われる。
そしてそして、三男の俺の魔力数値は――測定不能。測定器は最大で一万まで図ることが出来るから、最低一万以上。
これにはその場に居合わせた者たちを絶句させた。神殿から王宮に緊急報告が行ったくらいだ。
まあ、種族的には人間だけれど魂は神様だし、この数値も俺からすれば妥当な線だ。正確な数値は十万八千だけれど。
王宮の人たちは将来魔力が暴走する危険を持つ俺を即刻処分するように言い渡した。しかし、それを両親が猛反対。母様に至っては大激怒して魔術の大判振る舞いをしたらしい。くわばらくわばら。
慈悲深―い王は流石に幼子を殺すのは忍びないと判断し、要監視対象として処分を下した。簡単に言えば正しく育てなさい、悪しき成長を遂げたらどうなるかわかるよな? とのことらしい。
生まれつき魔力が超高い俺は、魔力封じの腕輪を五重で施すことで申し訳程度に魔力を封じている。
そんなこんなで、俺は幼少から魔力の扱いを覚えましょうと、母様から魔術に関する本――魔術書超初級編:子供も分かる魔術入門編を読み聞かせられている。
今日も今日とて、寝室のベッドで母様は背後から抱きつく形で本を朗読していた。
「――精霊さんは願いを聞いてくれる代わりに魔力というご飯を上げます。そうすることで初めて精霊さんが力を貸してくれるのです」
現在は精霊魔術について教わっている。この辺は生前から小説やゲームでイメージが固まっているから想像するのは楽だ。
「おかあさまー、せいれいさんってどこにでもいるのー?」
母親の顔を見上
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