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渦巻く滄海 紅き空 【上】
五十三 一尾VS九尾
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ブン太は今一度「おい?」と声を掛けた。








刹那、一尾以上の威圧感がズシンとその場に落ちる。










忘れようにも忘れられぬその気配に、ガマブン太の顔が強張った。


風に靡く金。何時もより落ち着いた風情でナルは妖艶な微笑を浮かべた。紅き双眸がギロリと守鶴を睨み据える。

《……―――相変わらず、喧しい奴だ》


それは絶対的王者の笑みであった。


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