始まりの終わりと終わりの始まりG
[8]前話
魔物の襲撃を凌いだ次の日、俺は朝食もそこそこにゴルドラとギルド役員のフレデリックと会議する事になった。俺のサポートにイリスとイリヤも居る。場所はニブルヘイム村に有る大きな屋敷。ここはギルドの隣に有り、倉庫になっているが、本来は領主の屋敷みたいだ。そんな所で、外で荷物整理が行われている。つまり、今までこんな危険な所の領主をする人がおらず、ギルドがその代わりを担っていたのだ。
「さて、新しい領主様がとんでも無い事をしてくれたが、まあ代わりがあるのだから構わんが」
金髪碧眼の優男であるフレデリック。嫌な事に渋いイケメンだ。
「アイツ等は敵なら凶悪だが、味方なら頼もしいぞ!」
「確かにあの魔法を吸収する力は偉大です。ですが、それは魔法に対してだけです。今までは結界に頼ってましたが、今度の魔人は魔法に対しては強力ですが、物理に対する防御力には難点が有ります。それに付いて話し合いましょう」
「ニブルヘイムを要塞化しようではいか!!」
ニブルヘイムの要塞化は確かに必要だな。魔人を受け入れ続けると教会共が何を言ってくるやら。
「そんな事出来るはずが無いでしょう」
「いえ、出来ます」
「昨日、資料を拝見しましたが、この近くにタングステンゴーレムの存在が多数確認されていますよね?」
「はい。討伐された情報は有りません」
「あれは硬すぎるぜ」
ニブルヘイム出向組の2人はイリスとイリヤ質問にうなづく。
「なら、問題は無い。こっちには金属にかなり強い奴がいるからな。タングステンを使って防壁をコーティングすればいい。問題は通常の防壁の建築だ」
「そちらはこちらでどうにかしますので、材料を集めてください。セメントを作りますので?」
「セメントとは何ですか?」
「物をくっつける素晴らしい物です」
会議は進んで行く。というか、俺は蚊帳の外で話しが進んで行く。イリスとイリヤの方が優秀だから。
『所詮、アンタは種馬よ。アヴリルが悩んでるみたいだから、そっちのケアして来たら? こっちはイリスとイリヤで充分でしょう』
それもそうだな。
「ちょっと、行ってくる。内政面の話しはそこの3人でしてくれ。俺はちょっと外を見てくる。ゴルドラには俺が連れて来た連中を鍛えて貰いたい」
「「分かりました」」
「それは…………」
「俺もそっちの方が良いな。はっきりいって、難しい事はわからん!」
「じゃ、頼んだ」
俺はゴルドラを連れて逃げ出した。
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