第九十八話 あれがミラニの対戦相手か
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闘悟は背中に冷たい汗を感じた。
「あの人……」
突然ヒナが声を発したので、話題を変えてくれるのかと期待する。
これで状況はガラッと……
「トーゴ……好き……なの?」
悪化しそうです……。
「そ、そんなわけねえだろ? オレ、アイツのこと何も知らねえし!」
「そう……なの?」
「そうなんだよ!」
ヒナにまで誤解されたら、針のむしろになってしまう。
もう味方を失うわけにはいかない。
「でも……ヒナ……あの人……何か……いや」
嫌といわれても闘悟にはどうしようもないので困る。
「ていうかトーゴ、アンタ一体どんだけ女の子の知り合いがいるのよ?」
ステリアが軽蔑度を高めに質問をしてくる。
「えっと……」
闘悟は知っている女性を数え始めた。
すると、数が増えていく度に、笑いごとではないほど多いのに気づいた。
「……た、たくさん?」
そう呟くので精一杯だった。
ステリアの軽蔑度は、どうやらメーターが振り切れそうになっているのか、嫌な顔を向けてくる。
もちろん闘悟自身、故意に女の子に出会っているわけではないが、何故か男と比べると、出会い率が女性の比率が物凄く高い。
「わたしもおんなだぞぉ〜!」
ハロは無邪気に闘悟にすり寄って声を出す。
「ヒナも……女……だよ?」
可愛く上目使いに見つめられる。
うわ〜抱きしめてぇ〜と、庇護欲(ひごよく)そそられる表情だが、ここでそんなことをすれば何かが音を立てて崩れるので我慢することにした。
「トーゴ様! 私だって女の子なのです!」
クィルが必死になって伝えてくる。
だが「いや、知ってるけど?」とは言えない雰囲気なので、何となく頷くことしかできなかった。
その様子を見てステリアは溜め息をついているし、闘悟はもうどうしていいか分からなくなっている。
思わぬ修羅場にあたふたしている闘悟をよそに、ミラニは相手選手の顔を見て驚いていた。
「セ、セイラ……?」
ミラニは確認するように相手の名前を呟く。
「久しぶりやなミラニちゃん!」
笑顔を向けてそれに答える。
セイラと呼ばれた女性は、年齢は二十五歳だが、低身長で童顔のためもっと若く見える。
十代と言っても過言ではないだろう。
肩にかかる程度の金髪だが、手入れが行き届いているのかサラサラとして綺麗に整っている。
身体的には本当に闘う者なのかと疑いを持つくらいモデルのように細い。
だが美人というより可愛いと称されるタイプであるのは間違いなさそうだ。
「勝ち残っているのは知
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