第九十八話 あれがミラニの対戦相手か
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可能なのか、それを観戦するのも楽しみの一つですね」
「フレンシア様の言う通りですね。現にタッグマッチの有効性を理解できずに闘い、本来の力を出し切れず敗れてしまった者もいますしね」
「その通りです」
「ミラニ選手が、今回のタッグマッチでどのように闘うのか、楽しみにしている方も多いでしょうね」
「仮にも魔法騎士団団長です。闘い方も幅を持っていると思います」
「なるほど。あ、どうやらミラニ選手がやって来たようです。その後ろにいるのはパートナーであるシャオニ選手です! 彼女も今大会の注目選手の一人ですよ!」
「彼女はヴェルーナ魔法学園の最上級生ですね。資料によると、第六学年『ブレイヴ』のルームリーダーのようですね」
「補足しますと、ルームリーダーというのは、そのルームで一番強い者に与えられる役職ですね。フレンシア様は彼女のことご存知ですか?」
モアの問いに軽く頷きを返す。
「ええ、大会参加は今回が初めてのようですが、彼女はあのテイラー伯爵のご息女です」
するとモアは目を見開いて聞き返す。
「テイラー伯爵ですか? 確かバレン・テイラー伯爵は、フレンシア様と同じ研究者でもありましたね?」
「ええ、魔法薬学の権威でもあります」
「その伯爵の娘さんが彼女なんですね」
二人のやり取りを聞いていた闘悟はシャオニを見つめて「なるほどな」と呟く。
そして、第六学年のルームリーダーということは、以前闘悟が闘った『黄鬼(おうき)』ことフービと同じく『五色の統一者(カラーズモナーク)』の一人なのだろうと思った。
それにしても、あのうさんくさいウサミミ女子が大会を勝ち残れるほどの実力者だったなんて驚きだった。
以前会った時、その身のこなしで只者ではないと感じてはいたが、かなりの強者だったらしい。
そんなことを思いながら彼女を見ていると、彼女もこちらに視線を送ってきて、目が合った瞬間ウインクをされた。
ドキッとして微かに身を引いてしまう。
それはあの日のことを思い出したからだ。
初めて会った時、シャオニは闘悟の頬にキスをしたのだ。
せっかく忘れていたのに、今ので完全に頭にこびりついてしまった。
その様子を感じたクィルは少しムッとなって闘悟の服を引っ張る。
「トーゴ様、何をお考えなのですか?」
「え? いや、何も……」
「本当なのですか?」
「マジだって!」
「むぅ……」
かなり疑わしそうに見つめてくる。
その間も、シャオニは闘悟に向かって笑顔で手を振ってくる。
お願いだから止めてほしい。
すると、クィルはシャオニを見て、また闘悟に視線を向ける。
「随分、仲がよろしいのですね?」
クィルの背後に暗黒の世界が見える。
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