第九十八話 あれがミラニの対戦相手か
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自分の順番が分かった闘悟だが、他の試合を見る気になれずずっと不貞腐(ふてくさ)れたように眠りこけていた。
余程、自分がまたドベだということが気に入らないのだ。
「も〜トーちゃんたら、可愛い!」
ニアはそんな闘悟を見て微笑ましく笑っていた。
試合もついにミラニの出番が来たようで、皆に送り出されてVIPルームから出て行った。
さすがの闘悟もミラニの試合だけはしっかり見ておこうと思い舞台に目をやる。
そこにはもうすでにミラニの相手であろう人物が立っていた。
ただまだ一人なので、ミラニ達と同じくまだ現れていないようだ。
「いや〜今日もこの盛り上がり! 素晴らしいですねフレンシア様!」
モアは自身のテンションも最高潮に達していることを自覚しながら、隣にいる解説役のフレンシアに声を掛ける。
「そうですね、皆素晴らしいバトルを見せてくれています」
「タッグマッチも残すところ、あと二戦! しかもどちらの組にも、この大会の注目選手がいます! 一次予選でヤーヴァス選手のように、次々と敵を薙ぎ倒し、ベニ選手と好勝負を行ったグレイハーツ魔法騎士団団長ミラニ選手が、これから始まる第九回戦で腕を奮います! そしてラストは今回いろんな意味で注目を浴びてる黒髪の少年トーゴ選手です! フレンシア様ご意見どうぞ!」
「きゃ〜トーゴく〜〜ん!」
「この通り、トーゴ選手にはいろいろ興味がそそられます!」
観客達の視線が殺意を込めて闘悟に向かう。
だからオレ何もしてねえっての!
心の中で必死に言い訳はするものの、無論誰にも届きはしない。
「さてフレンシア様」
ちょっと待て実況!
軽く話題を変えようとしてるけど、投げっ放しは止めろよな!
闘悟の叫びは届くことも無くモアは続ける。
「この第九回戦では、どのような試合になると思いますか?」
「タッグマッチという変則的な大会ルールの中で、個人技に特化した選手はやはり苦戦をしていました」
「そうですね」
「この大会は確かに個人戦ですが、この予選は間違いなくチーム力がものをいいます」
「なるほど」
「パートナーとの連携力、それが有るのと無いのとでは全く違います」
フレンシアの言う通りだ。
あくまでもこの大会で優勝するのは一人だ。
つまりは個人戦。
しかし、この二次予選にしろ、一次予選にしろ、かなりの団結能力が求められた。
もちろんヤーヴァスやミラニのように、突出した個人能力が高い者はその必要は無いのかもしれない。
しかし、そこそこ名の知れた実力者が、数に負けて予選落ちしたのも事実だ。
勝ち残るためには、そんな数の力も必要だったのだ。
「即席のチームに、どのような連携が
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