第九十七話 オレに運ってあんのかな?
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
よな!」
見たかオレの記憶力!
そんなふうに自慢しようとしたところ、ミラニはまた肩を落とす。
「まだ闘ってはいない」
「………………へ?」
ミラニの顔を唖然として見つめる。
彼女は至って真剣な顔だ。
「……ど、どういうことかな?」
だって一番最初に書かれてあったんだから、最初に闘ったんじゃねえの?
そんな思いが去来(きょらい)する中、ミラニが解答を教えてくれる。
「いいか? Bは私だ」
「……え?」
物凄い分かり易い答えだった。
だってまだミラニは闘ってはいなかったのだから。
「えと…………つう……ことは……」
「あの石版には、別に試合順に番号が書かれていたわけではないということだ」
「……ハ、ハメられた……」
膝をを折り、四つん這(ば)いの格好になる。
悲しそうに呟く闘悟を心配したのかヒナが近くに来て頭を撫でてくれた。
「落ち込まないで……ね?」
天使のような透き通る肌と声で見る者聞く者を癒してくれる。
「おお〜わたしもなでるぅ〜!」
ハロが自分も自分もとやって来て力強く頭を撫でる(?)ような、擦(こす)りつけるような感じで闘悟で遊ぶ。
できればもっと優しく撫でてほしい。
クィルは「羨ましいのです」と小声で言っていたが、闘悟の耳には入っていなかった。
「安心しろトーゴ、私が貴様の試合順番を聞いて来てやった」
「ホントかぁ!」
闘悟は勢いよく顔を上げミラニを見る。
「ああ、私の試合の次だ」
「ミラニの? …………あ、あの……」
何だか物凄く嫌な予感がする。
だが、聞かなければこの話は終わらない。
「そ、それでミラニさんはいつ闘うのでしょうか?」
「ん? 第九回戦だ」
でっすよねぇぇぇぇぇぇっっっ!!!
もうそんな感じがしてたわっ!
恨むからな幸運の神様ぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っ!!!
そんな運の無さにすっかり落ち込む闘悟を皆が慰める。
「そっか……十回戦かぁ……」
ステリアは小さくボソッと言ったつもりだったが、クィルに聞かれていた。
「何が十回戦なのですか?」
「え? あ、いや、トーゴはいつもドベよねって話よ! あはは!」
グサッとステリアのオブラートに包まない言い方に、闘悟は精神に致命的ダメージを受けた。
「立ち直れるかな……オレ……」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ